MR(医薬情報担当者)だって恋します!


 気がついたら朝だった。
 イメチェンしてからメイクにやや時間がかかるようになったため、朝食を抜いてメイクする。
 橘先生の部屋に行きづらくなってしまった。また竹部先生がいたら……。
 それに。
 橘先生には会いたいと思う。話してほしいとも思う。でも、私がドアを開けてすぐに閉めたときの橘先生の顔が思い出される。橘先生はやや失望したような顔をしていた。
 営業に橘先生の部屋に行ったなら、私は逃げるべきではなかったのだ。チャンスだと思って竹部先生にも話しかけたら良かったのだ。それができなかった。

 鏡を見てハッとする。メイクがいつもより濃くなっていた。慌てて塗りすぎたチークの上からファンデを塗る。唇をティッシュで押さえた。
 時間がない。
 私は急いでバッグを手にして、ローファーに足を入れ、ドアを開けた。
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