並んで歩くなら、あなたと
「ただいまー」

「おかえり、花菜」


 玄関を開けたら、後ろにパパが立っていた。


「学校、どうだった?」

「藤也がちゃんと部長してた。あと、教頭先生に『瑞希の子かあ、問題起こさないでね』って言われた。パパ、何したのさ」

「さあ? わかんねえなあ」


 パパはニヤッと笑って長靴を脱いだ。

 絶対嘘だ。

 玄関横の水道で、パパは長靴の泥を落として、干していた。その向こうにきちんとまとめられたホースが積んであった。

 たぶん、スコップやショベル、クワやスキなんかも、いつもどおり倉庫にきちんと片付けてあるんだろう。

 ……やっぱり、理想の人なんて、そんな簡単には見つからないんだ。

 玄関を上がって、手を洗いに洗面所に向かった。
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