並んで歩くなら、あなたと
ホースを片付けてから、先輩と並んで間引くチューリップを選んだ。
二人で裏門の両端から進めていって、萎れた花と茎を取り終えた頃には、空がオレンジから濃い青に変わりつつあった。
ずっとかがんで作業をしていたから、春だというのに私も先輩も汗だくだ。
「世菜先輩、終わりましたか?」
「うん、これで最後。由紀さんは?」
「終わりました。暗くなってきたし、片付けて今日は終わりにしましょう。あ、片付けは私がしますから、先輩は追加で水をあげておいてもらえますか?」
「わかった」
先輩は目を細めてから、じょうろで水をまいていく。
水やりと片付けが同時に終わったので、二人で中庭に向かった。
「世菜先輩、明日は何するんですか?」
「明日は裏門を出たところの草むしりをしようかな。ところで、俺の名前は坂木世菜だよ」
「えっ、世菜って苗字じゃなかったんですか? 失礼しました。えっと、坂木先輩?」
先輩は「んー」と小さく唸った。
「やっぱり世菜って呼んで」
「なんで? すみません、なんでですか?」
「ふふ、別にいいよ、敬語じゃなくても。由紀さんに呼ばれるなら、名前のほうがよかったからさ」
春の風が吹いて、先輩のふわふわした髪が揺れた。
夕陽が眩しくて、先輩の表情がよく見えない。
「答えになってないですけど」
「俺も花菜ちゃんって呼ぶね」
「坂木先輩、思ったよりチャラいんですね」
「すみません、ごめんなさい、引かないで」
「冗談です。好きに呼んでください」
「うん、ありがと。明日はジャージ着てきて。草むしりすると制服汚れるから」
「わかりました、世菜先輩」
中庭に戻り、倉庫で片付けをした。
世菜先輩と一緒に藤也に作業内容を報告して、今日の部活はおしまい。
「花菜、今日の部活は楽しかった?」
「まあまあ」
「スカートに土ついてるぞ」
「ほんとだ。先輩、教えてくださ……って、先輩のスラックス泥だらけじゃないですか!!」
さっき私に、制服汚れるからジャージで来いって言わなかったっけ!?
先に自分の制服気にしなよ!!
世菜先輩のスラックスを叩いて泥を落とす私を、藤也が笑いながら見ていた。
二人で裏門の両端から進めていって、萎れた花と茎を取り終えた頃には、空がオレンジから濃い青に変わりつつあった。
ずっとかがんで作業をしていたから、春だというのに私も先輩も汗だくだ。
「世菜先輩、終わりましたか?」
「うん、これで最後。由紀さんは?」
「終わりました。暗くなってきたし、片付けて今日は終わりにしましょう。あ、片付けは私がしますから、先輩は追加で水をあげておいてもらえますか?」
「わかった」
先輩は目を細めてから、じょうろで水をまいていく。
水やりと片付けが同時に終わったので、二人で中庭に向かった。
「世菜先輩、明日は何するんですか?」
「明日は裏門を出たところの草むしりをしようかな。ところで、俺の名前は坂木世菜だよ」
「えっ、世菜って苗字じゃなかったんですか? 失礼しました。えっと、坂木先輩?」
先輩は「んー」と小さく唸った。
「やっぱり世菜って呼んで」
「なんで? すみません、なんでですか?」
「ふふ、別にいいよ、敬語じゃなくても。由紀さんに呼ばれるなら、名前のほうがよかったからさ」
春の風が吹いて、先輩のふわふわした髪が揺れた。
夕陽が眩しくて、先輩の表情がよく見えない。
「答えになってないですけど」
「俺も花菜ちゃんって呼ぶね」
「坂木先輩、思ったよりチャラいんですね」
「すみません、ごめんなさい、引かないで」
「冗談です。好きに呼んでください」
「うん、ありがと。明日はジャージ着てきて。草むしりすると制服汚れるから」
「わかりました、世菜先輩」
中庭に戻り、倉庫で片付けをした。
世菜先輩と一緒に藤也に作業内容を報告して、今日の部活はおしまい。
「花菜、今日の部活は楽しかった?」
「まあまあ」
「スカートに土ついてるぞ」
「ほんとだ。先輩、教えてくださ……って、先輩のスラックス泥だらけじゃないですか!!」
さっき私に、制服汚れるからジャージで来いって言わなかったっけ!?
先に自分の制服気にしなよ!!
世菜先輩のスラックスを叩いて泥を落とす私を、藤也が笑いながら見ていた。