並んで歩くなら、あなたと
 それはそれとして、まずは三年生の階に向かった。

 藤也のクラスが焼きそば屋をしているから、お昼がてら食べに行くのだ。


「藤也ー、焼きそば二つちょうだい」

「おう、花菜、世菜。ちょっと待ってな」


 藤也は慣れた手つきで、ホットプレートで焼きそばをさっと焼いた。

 二つ重ねて差し出したのを私が受け取り、世菜がお金を払う。


「なに、やっとくっついた?」

「くっついた」


 そう答えると、藤也は世菜を見た。


「そいつ、うるせえし偉そうだけど、だいじょぶ?」

「俺にはめちゃくちゃかわいい女の子なんで、だいじょぶです」


 藤也の質問に、世菜がさらっと答えた。

 や、何言ってんの?

 藤也は何聞いてんの!?


「そ、そういうことを真顔で言わないでくれる!?」

「はいはい、お幸せに」

「行こう、花菜ちゃん」

「もー!」


 世菜に手を引っ張られて席を探す。混んでいたけど、園芸部の先輩が食べ終わったからって席を譲ってくれた。


「もー、何言ってるのさ」

「本当のことだよ。ほら、さっさと食べて回ろう?」

「そうだけど……うーん、恥ずかしいな」

「俺が?」


 世菜が不安そうな顔で私を見た。


「ううん、従兄にのろけられるのが。あのさ、世菜ってさ、私の彼氏なんだよね?」

「そ、そのつもりでおります」

「そう、よかった」


 焼きそばを渡して、割り箸を割った。

 世菜の割り箸が斜めに割れて、情けない顔をしているのがかわいかった。
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