鬼同期が家だとオカンだったし、その後スパダリに進化した
 次の日の夜、帰ったらゴミパックと弁当箱が届いていた。

 うーん、たしかに便利だし、届くの早いなあ。

 少し迷ってから長谷川の部屋の呼び鈴を押そうとしたら、


「どうした?」


 と後ろから声をかけられた。


「弁当箱届いた」

「なんか食いたいもんある?」

「なんでもいいよ」

「出たよ。まあ、いいか」


 弁当箱を渡すと、長谷川は裏返したり蓋を開けたりしながら、何か確認していた。


「何見てるの?」

「食洗機と電子レンジいけるか確認してる」

「……洗ってから渡すべきだった?」

「普通はな」

「すみません……」

「いいからゴミパックを掃除機につけてこい。んで、ちゃんと着けられたか報告しろ。さっさと行け。俺も風呂入って飯にしたいんだから」

「わ、わかった!」


 急いで部屋に戻って、玄関にカバンを放り出した。


 掃除機にゴミパックは……ちゃんと着いた!

 証拠写真を撮ってから、掃除機の蓋を閉じる。


 そういえば、掃除までしたらデザート追加って言ってたな。

 ……するか。

 掃除機をかけるといっても、単身用マンションだ。一部屋とリビング、それから廊下の途中に台所と洗面所があるくらい。


 さっと掃除機をかけて、また隣の呼び鈴を押した。


「ゴミパックついたし、掃除機もかけた!」

「よくできました」


 長谷川はシャツとスラックスの上からエプロンをつけた姿で出迎えてくれた。


「ママー、デザートはイチゴがいいな!」

「時期じゃありません」

「そんなあ……」


 初夏だしね。

 じゃあ何が旬なのかって聞かれても、さっぱりわからないんだけど。


「柑橘系平気?」

「私に食べられないものなんてないよ」

「あはは、じゃあ家にあるもん適当に詰めるよ」

「楽しみにしてる。じゃあ、また明日」

「おう、おやすみ」

「……おやすみ」


 自分の部屋に戻ってシャワーを浴びた。

 チューハイの缶を開けると、プシュッと気持ちのいい音が部屋に響いた。


 ……もしかして長谷川、私が掃除を終えるの待っててくれた?

 シャワー浴びたいって言ってたし、昼間だって外回りで汗だくだったのに。

 ぐう。

 なんかもう、本当にオカンじゃん。

 缶を傾ける。


 オカンに叱られるといけないから、缶はすぐにすすいで、缶ゴミの袋に入れておいた。

***

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