離れた後の恋の仕方
翌日、四つ葉のビルに入って専務室に入って椅子に座り、先ずはスケジュールを確認して宝条さんのお見舞いに行ける時間を見つけ、後で仁に宝条さんの勤務態度を確認しないと。
専務室のドアが開いて橘が入ってきて、俺の前に立つとバックから手帳を取り出す。
「今日のスケジュールだけど、昨夜に宝条さんが✕✕病院に緊急入院をしたから、お見舞いに行ける時間ってある?」
「え…、入院されたんですか?!」
「うん。幸い倒れた時に頭はぶつけてないけど、体調は良くなかったみたいで。とびっきり美味しい果物を買って、お見舞いに行く事にしたいんだ」
「そう…ですか……、本日のスケジュールは外回りが1つありますので、その前でしたら時間は取れます」
「オッケー。道中でとびっきり美味しい果物を買うし、医療費の手続きは経理課の木暮が詳しいから、外回り前に木暮の所に行く」
「かしこまりました。その他のスケジュールですがー…」
橘とスケジュールを確認し、1つ1つ仕事をこなしているとドアがノックされて開き、そこには総務課の星野さんと40〜50代の男性と女性がいて、男性は紙袋を1つ持っていた。
「お忙しい中、失礼します。此方のお二人はスポーツ部の宝条さんのご両親で、高坂専務に昨夜の事をお話をしたいとのこです」
「真琴の父です」
宝条さんのお父さんが深くお辞儀をし、お母さんも同じく頭を下げるので俺は椅子から立って、ご両親の元に行く。
「頭を上げて下さい。星野さんも案内をしてくれて、ありがとう。戻って大丈夫」
「かしこまりました。失礼します」
星野さんが専務室から離れ、ご両親は頭を上げ、俺は右手でどうぞという仕草をして宝条さんのご両親を専務室に招いた。
「お茶をご用意します」
「お構いなく。高坂専務、この度は娘の為に個室を用意していただいて、本当にありがとうございました。お口に合えばと思い、どうかお受け取り下さい」
橘がお茶を勧めるもお父さんは丁重に辞退を申し出て、紙袋から小さな箱を俺に差し出す。
「俺は背中がバキバキになるベットだとゆっくり休めないだろうと思い、知り合いの医師に相談しただけですよ」
俺は小さな箱は受け取らず、個室を手配した経緯を話す。
「どうかお受け取り下さい」
宝条さんのお父さんはめげずに差し出すので、うーん…、此処は受け取って、箱は入院の手続きをしてくれた一美に渡そうと決め、俺は受け取る。
「お気持ち、嬉しいです。宝条さんの体調管理に気を配られず、申し訳ございませんでした。上司である荒木にも勤務時間について聞き取りし、再発防止に努めます」
「ありがとうございます。娘はスポーツも編集という仕事も初心者で、更にこの度は入院でご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「迷惑だなんて。宝条さんがスポーツ部に来てからは部署の雰囲気も柔らかくなりましたし、初心者だからこそ吸収力もあり、今は制作班で原稿に沢山触れています」
「そうですか、それなら良いんです。1人娘で心配ですが、こうして自分の職業に真剣に取り組んでいるので、いつか娘の記事が載りましたら張り切って親戚に自慢したいと思います」
宝条さんのお父さんは優しく微笑み、宝条さんがご両親の愛情をいっぱいに受けて育っていると感じて、何だか羨ましくなる。
「是非いっぱい自慢して下さい。退院しましたら美味しいランチを誘おうと思います」
「そんな、娘の為に勿体ないです」
「いいえ。中々宝条さんともゆっくりお話をした事がないですし、俺もスポーツ部の初代編集長として仕事の話もしたいですし」
「高坂専務も編集のお仕事をされていたんですね」
「ええ。今は荒木が2代目ですが、本人も俺の後を継いでよく頑張っていただいています」
「え?もしかしてその荒木さんは荒木一美さんのご親戚の方ですか?」
「ご親戚というか、一美さんは荒木の姉です」
「まぁ、凄い」
「そうだな」
俺が一美と仁の関係性を話すと、宝条さんのご両親はとても驚いた反応になる。
「世間は狭いって言葉があるが、同居人が娘の仕事関係の人だったら安心だな」
「そうね。あなたそろそろ御暇しましょう」
「ああ。お時間をいただきましてありがとうございました。退院日は私達が手続きに✕✕病院に行きます」
「分かりました。最後になりますが医療費に関しては経理課に申請が必要なので、退院日に領収書と印鑑と口座の分かるものを用意をお願いします」
「はい。それでは失礼します」
宝条さんのご両親が専務室を出ていき、俺は受け取った小さな箱を自分の机の上に置いた。
「さ、外回り前までにメールの返信を済ませるから、橘は30分後にタクシーを四つ葉前までに手配をお願い」
「かしこまりました」
橘はバックからスマホを取り出してタクシーの手配を始め、俺はメールの返信作業に入った。
そしてタクシーが来る前までメールの返信作業を続け、外回りの準備をし、橘と専務室を出て一旦スポーツ部がいる会議室に向かう。
ドアを開けると制作班はノートパソコンをじぃっと凝視しながらキーボードを叩き、ホワイトボードの前に仁と田所、水野と秋山もいた。
「これから外回りに行くけど、その前に宝条さんのお見舞いに行ってくるね」
「分かった。こっちはサマーリーグの取材に行ってくる。青木印刷所も仮印刷に入るって」
「オッケー。取材も順調そう?」
「任せて下さい!石井選手の言葉、沢山引き出します」
仁は相変わらず淡々とした受け答えで、田所は自信に満ちた受け答えで対照的だな。
「それじゃあ、行ってくるね。橘、行こうか」
「はい」
橘はスポーツ部に頭を下げ、俺と一緒に3階から1階まで階段で降り、ロビーを通って外に出るとタクシーが1台停まっていた。
橘を後部座席の奥側に座らせ、俺はお見舞い用の果物の盛り合わせを買うために運転手に角井百貨店の住所を伝え、タクシーが走り出す。
「あの…、荒木編集長にお姉さんがいらっしゃるんですね」
「うん。姉ちゃんは俺と同期で、荒木とは代理で家庭教師をしたのがきっかけで知り合ったよ。まだ向こうが高校生の時で、淡々とした話し方はその頃から変わってないかな」
橘に仁との出会いのきっかけを話すと、橘は興味深い表情で聞いている。
「荒木のこと、気になる?」
「え…、その…」
俺が指摘すると橘は視線を泳がせて顔も赤くなっている。
「ま〜あいつのモテっぷりはすごいけど、社内恋愛は気をつけてね。仕事に支障が生じるのは勘弁して欲しいかな」
「は、はい…」
橘に釘をさすように伝えたのは、水瀬と星野さんの事があったからで、この2人も色々あったからなぁ。
タクシーが角井百貨店の駐車場に停まり、一旦は待機してもらい、俺は橘と一緒にタクシーを降りて中に入って、地下にある食品売り場に向かい、
見舞い用に果物を扱っている青果店に行った。
「いらっしゃいませ」
「可愛い部下が入院したので、栄養たっぷりでとびっきり美味しい果実を幾つかお願いします。予算は◯千円位です」
「かしこまりました。入院中でしたら傷みにくく食べやすいサイズを選びます」
親切な店員さんが美味しそうな果実を籠一杯に盛り付けてくれて、仁はそんなに買わなくて良いって言うけど、気持ちが大事じゃん。
お会計を済ませて籠を受け取り、両手で籠を持って駐車場に戻り、タクシーの後部座席に乗り込んで✕✕病院に向かった。
専務室のドアが開いて橘が入ってきて、俺の前に立つとバックから手帳を取り出す。
「今日のスケジュールだけど、昨夜に宝条さんが✕✕病院に緊急入院をしたから、お見舞いに行ける時間ってある?」
「え…、入院されたんですか?!」
「うん。幸い倒れた時に頭はぶつけてないけど、体調は良くなかったみたいで。とびっきり美味しい果物を買って、お見舞いに行く事にしたいんだ」
「そう…ですか……、本日のスケジュールは外回りが1つありますので、その前でしたら時間は取れます」
「オッケー。道中でとびっきり美味しい果物を買うし、医療費の手続きは経理課の木暮が詳しいから、外回り前に木暮の所に行く」
「かしこまりました。その他のスケジュールですがー…」
橘とスケジュールを確認し、1つ1つ仕事をこなしているとドアがノックされて開き、そこには総務課の星野さんと40〜50代の男性と女性がいて、男性は紙袋を1つ持っていた。
「お忙しい中、失礼します。此方のお二人はスポーツ部の宝条さんのご両親で、高坂専務に昨夜の事をお話をしたいとのこです」
「真琴の父です」
宝条さんのお父さんが深くお辞儀をし、お母さんも同じく頭を下げるので俺は椅子から立って、ご両親の元に行く。
「頭を上げて下さい。星野さんも案内をしてくれて、ありがとう。戻って大丈夫」
「かしこまりました。失礼します」
星野さんが専務室から離れ、ご両親は頭を上げ、俺は右手でどうぞという仕草をして宝条さんのご両親を専務室に招いた。
「お茶をご用意します」
「お構いなく。高坂専務、この度は娘の為に個室を用意していただいて、本当にありがとうございました。お口に合えばと思い、どうかお受け取り下さい」
橘がお茶を勧めるもお父さんは丁重に辞退を申し出て、紙袋から小さな箱を俺に差し出す。
「俺は背中がバキバキになるベットだとゆっくり休めないだろうと思い、知り合いの医師に相談しただけですよ」
俺は小さな箱は受け取らず、個室を手配した経緯を話す。
「どうかお受け取り下さい」
宝条さんのお父さんはめげずに差し出すので、うーん…、此処は受け取って、箱は入院の手続きをしてくれた一美に渡そうと決め、俺は受け取る。
「お気持ち、嬉しいです。宝条さんの体調管理に気を配られず、申し訳ございませんでした。上司である荒木にも勤務時間について聞き取りし、再発防止に努めます」
「ありがとうございます。娘はスポーツも編集という仕事も初心者で、更にこの度は入院でご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「迷惑だなんて。宝条さんがスポーツ部に来てからは部署の雰囲気も柔らかくなりましたし、初心者だからこそ吸収力もあり、今は制作班で原稿に沢山触れています」
「そうですか、それなら良いんです。1人娘で心配ですが、こうして自分の職業に真剣に取り組んでいるので、いつか娘の記事が載りましたら張り切って親戚に自慢したいと思います」
宝条さんのお父さんは優しく微笑み、宝条さんがご両親の愛情をいっぱいに受けて育っていると感じて、何だか羨ましくなる。
「是非いっぱい自慢して下さい。退院しましたら美味しいランチを誘おうと思います」
「そんな、娘の為に勿体ないです」
「いいえ。中々宝条さんともゆっくりお話をした事がないですし、俺もスポーツ部の初代編集長として仕事の話もしたいですし」
「高坂専務も編集のお仕事をされていたんですね」
「ええ。今は荒木が2代目ですが、本人も俺の後を継いでよく頑張っていただいています」
「え?もしかしてその荒木さんは荒木一美さんのご親戚の方ですか?」
「ご親戚というか、一美さんは荒木の姉です」
「まぁ、凄い」
「そうだな」
俺が一美と仁の関係性を話すと、宝条さんのご両親はとても驚いた反応になる。
「世間は狭いって言葉があるが、同居人が娘の仕事関係の人だったら安心だな」
「そうね。あなたそろそろ御暇しましょう」
「ああ。お時間をいただきましてありがとうございました。退院日は私達が手続きに✕✕病院に行きます」
「分かりました。最後になりますが医療費に関しては経理課に申請が必要なので、退院日に領収書と印鑑と口座の分かるものを用意をお願いします」
「はい。それでは失礼します」
宝条さんのご両親が専務室を出ていき、俺は受け取った小さな箱を自分の机の上に置いた。
「さ、外回り前までにメールの返信を済ませるから、橘は30分後にタクシーを四つ葉前までに手配をお願い」
「かしこまりました」
橘はバックからスマホを取り出してタクシーの手配を始め、俺はメールの返信作業に入った。
そしてタクシーが来る前までメールの返信作業を続け、外回りの準備をし、橘と専務室を出て一旦スポーツ部がいる会議室に向かう。
ドアを開けると制作班はノートパソコンをじぃっと凝視しながらキーボードを叩き、ホワイトボードの前に仁と田所、水野と秋山もいた。
「これから外回りに行くけど、その前に宝条さんのお見舞いに行ってくるね」
「分かった。こっちはサマーリーグの取材に行ってくる。青木印刷所も仮印刷に入るって」
「オッケー。取材も順調そう?」
「任せて下さい!石井選手の言葉、沢山引き出します」
仁は相変わらず淡々とした受け答えで、田所は自信に満ちた受け答えで対照的だな。
「それじゃあ、行ってくるね。橘、行こうか」
「はい」
橘はスポーツ部に頭を下げ、俺と一緒に3階から1階まで階段で降り、ロビーを通って外に出るとタクシーが1台停まっていた。
橘を後部座席の奥側に座らせ、俺はお見舞い用の果物の盛り合わせを買うために運転手に角井百貨店の住所を伝え、タクシーが走り出す。
「あの…、荒木編集長にお姉さんがいらっしゃるんですね」
「うん。姉ちゃんは俺と同期で、荒木とは代理で家庭教師をしたのがきっかけで知り合ったよ。まだ向こうが高校生の時で、淡々とした話し方はその頃から変わってないかな」
橘に仁との出会いのきっかけを話すと、橘は興味深い表情で聞いている。
「荒木のこと、気になる?」
「え…、その…」
俺が指摘すると橘は視線を泳がせて顔も赤くなっている。
「ま〜あいつのモテっぷりはすごいけど、社内恋愛は気をつけてね。仕事に支障が生じるのは勘弁して欲しいかな」
「は、はい…」
橘に釘をさすように伝えたのは、水瀬と星野さんの事があったからで、この2人も色々あったからなぁ。
タクシーが角井百貨店の駐車場に停まり、一旦は待機してもらい、俺は橘と一緒にタクシーを降りて中に入って、地下にある食品売り場に向かい、
見舞い用に果物を扱っている青果店に行った。
「いらっしゃいませ」
「可愛い部下が入院したので、栄養たっぷりでとびっきり美味しい果実を幾つかお願いします。予算は◯千円位です」
「かしこまりました。入院中でしたら傷みにくく食べやすいサイズを選びます」
親切な店員さんが美味しそうな果実を籠一杯に盛り付けてくれて、仁はそんなに買わなくて良いって言うけど、気持ちが大事じゃん。
お会計を済ませて籠を受け取り、両手で籠を持って駐車場に戻り、タクシーの後部座席に乗り込んで✕✕病院に向かった。


