陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
櫂くんの大事な思い出の中に、私も混ぜてもらえた気がして嬉しかった。
運ばれてきた料理はどれも本当に美味しくて、頬が落ちるという表現がぴったりのお店。櫂くんのお気に入りのティラミスも、味わえて大満足。櫂くんも〝また来れて良かった〟とにこやかに話してくれた。
食事が終わる頃、外を見ると空は暗くなっていて、イルミネーションが鮮やかに輝いていた。
櫂「灯早」
名前を呼ばれて振り返ると、向かい側に座っていたはずの櫂くんが隣の椅子に座っていた。手には長方形の箱を持っている。
櫂「イルミネーション見に行く前に、言っておきたいことがあって」
「…うん」
二人の間で空気が少しだけ固くなる。これから起こることが想像できて、背筋を伸ばした。
櫂「母ちゃんが死んでから、どうせ俺の目の前からいなくなるなら、誰も隣にいなくて良いってずっと思ってて」
大事な話だと分かったから、一つ頷いて次の言葉を待った。真っ直ぐな言葉を探すようにゆっくり話す櫂くんの手に、自分の手を重ねた。一瞬目を見開いて私を見ると、すぐに私の手を握ってくれる。
櫂「灯早は悠馬にも善にも言いたいこと言えて、好奇の目がない人に初めて会って。最初は何か企んでるんだろって思ってたけど、初めて灯早が俺の名前を呼んでくれた時、自分でも分かんないけど灯早から目が離せなかった」
しっかりと櫂くんの目を見て、一言も聞き逃さないように。相槌も頷くだけで必死だった。