陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




「…ありがとう」


櫂「あんまり確信犯なことすると、俺もたないからな?」




背中を向けたまま、ぼそっと聞こえた声。〝もたない〟強く握られて、櫂くんの感情の揺れが見えて、クスッと笑ってしまった。


電車を待つ間も電車に揺られている間も、最寄駅に着いてからも会話が止まることはなく、手を繋いでいる以外は何も変わらない。一つの違う出来事で一気に緊張感が増し、二人とも平然を装っているけどぎこちなかった。




櫂「ご飯食べてから、イルミネーションな」


「うん!」




高級なお店には手が届かない未成年だからと、必死に背伸びをしてくれて、気軽な服装が許されるカジュアルフレンチのお店に入った。パーテーションで一席ずつ区切られていたけど、周りには家族連れがたくさんいて、もちろんカップルもいるのが見えた。


私と櫂くんも、そう見えてるんだよね。そう考えたら、私たちはまだ付き合ってもないのにカップルまがいの関係性で、嬉しいような恥ずかしいような。せっかく連れてきてもらったのに、こんなことを考えている自分にも恥ずかしくなって、顔を伏せた。




櫂「灯早?」


「…素敵なお店だから、緊張してきちゃった」




今日は卑下を捨てて、櫂くんとの時間を純粋に楽しみたい。半分作り笑いを櫂くんに向けると、〝ガチガチだな(笑)〟と笑われる。




櫂「ここ、父ちゃんと母ちゃんと一回だけ来たことあって。すげぇ美味いの。灯早にも食べてほしかったから、連れてきた」


「そうなんだ。思い出の場所なんだね」


櫂「うん。俺が覚えてる、数少ない家族の思い出」


「ありがとう。連れてきてくれて」



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