偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

再会


ー金曜日

あっという間に金曜日が来てしまった。

私はどんな服やメイクにするか悩んだが、きっと榊さんに会うのはこれが最後、もしくは百合子との結婚式とかだろう。

そう思うと2人で会う最後くらい、
素敵だと思われたく、
結局オシャレをして行くことにした。

会社の人に誉められつつ、
榊さんとの待ち合わせ場所に向かった。

数分ということで、
お店の予約はせず、立ち話で終わるだろう。

待ち合わせ場所に着くと、
榊さんがもう待っていた。

「こんばんは」

榊さんに近付いて話し掛けると、
少し驚いた顔でこちらを振り返った。

「こんばんは」

榊さんからも返答があったが、
いつもより表情は固くみえた。

なぜだか緊張しているようにもみえた。

「あの、もし良ければ寒いので、
私の車で話しませんか?」

榊さんにそう提案され、
本当は二人っきりにはなりたくなかったが、断る理由も思い付かず、
そのまま車に着いていくことにした。

駐車場に着くと、
榊さんが車の助手席のドアを開けてくれた。

ー私は車に興味ないから名前とかわからないけど、多分高級車なんだろうな…

そう思いつつ、車に乗せてもらった。

榊さんは運転席にのってきた。

思わず近い距離にドキドキしてしまう。
私は俯いて気持ちを整えようとしていた。

「あの、私何かしましたか?」

榊さんに急に言われて、思わず顔を上げた。

榊さんは少し泣きそうな顔にも見えた。

ーやっばり避けていたのバレていたんだ。
何といえばいいのかわからず、返答に困っていた。

榊さんから、
「最近連絡がとれなくて…
忙しいのはわかっているのですが、
何か他にも理由があるのかなと思いまして…」
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