偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

家に帰ると、榊さんからメッセージが来ていた。

『久しぶりに会えましたね。
良かったら今度お祝いできませんか?』

私はやはりお祝いしてもらう気分にはなれず、
『まだ忙しいので、また連絡します』と前と同じような返信をした。

素っ気なくて申し訳ない…
そう思いつつも他に良い返事が思い付かず、何も考えないためにもすぐにシャワーに入って、ベッドに入った。

『わかりました。お仕事はどうですか?』

気にせず会話を続けてくれる榊さんには申し訳なかったが、
返信する気力が沸かず、布団に潜って目を瞑った。

ー翌日

さすがに既読無視は良くないなと思い、
『職場の人はとても優しい人ばかりです。ありがとうございます』と返信した。

榊さんからはまた返信が来て、
このままだと会話が続いてしまいそうだったのだ、スタンプで返信してしまった。

ーこれで連絡は当分来ないかな…
あとは、早く私が二人のお祝いできるようになればな…

榊さんに対して考えないようにして、
とにかく仕事のことを考えるようにした。

私の思惑とは異なり、
榊さんからは他愛のないメッセージが来た。

百合子とのデートを見る前はよく他愛のない連絡を取り合っていたが、
榊さんと連絡を取る気分にはなれず、
申し訳ないがスタンプで返信してしまっていた。

そんな日が続いたところ、
榊さんからまたメッセージが届いた。

『お忙しいところすみません。
数分でもいいので、お話できませんか?』

ーどうしよう。

まだまだ二人をお祝いする気分にはなれていない。
でも数分でも会えないというのは無理があるだろう。

私は上手い断り方を考えたが、
結局思い付かなかったので、
『今週の金曜日なら大丈夫です』と返信した。

金曜日なら泣いても、
土曜日と日曜日で腫れが引くだろうと思ったからだ。

ー気が重いな…

思わずため息が出そうになりながら、
仕事に戻った。
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