偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

お見合い


今日はコンビニの勤務が終わってから、
一度シャワーを浴びて、
親友の百合子とランチをする日だった。

ー百合子と会うの、すごい久しぶり。
会うの楽しみだな

百合子は、
大企業の社長令嬢だが、
自分自身もバリバリ働いていて、
親友ながらすごく尊敬していた。

私がフリーターになったときも、
否定をせず、今まで通りに接してくれる百合子の態度に感謝していた。

そんなことを考えてお店に入ると、
百合子とボディガードの橘さんが既に待っていた。

「お待たせ」
「うんうん、今来たところだよ」

私は急いで席に着き、
メニューを見て注文した。

「久しぶりだね」

「本当!1ヶ月くらい空いた気がする」

「仕事忙しかったの?」

「うん、実はね…」

百合子はなぜか橘さんに気を遣うような表情をしながら、小声で話し始めた。

「実はお見合いすることになって、
今お見合いしてるの」

「お見合い!?」

百合子が小声で話してくれたのに、
私が大きい声を出してしまった。

それを見て、
個室の入口にいた橘さんがこっちを見ているが、少し睨んでいるようにもみえる。

ー元々強面だから、
睨まれると更に怖いな…

私が怯えていると、
それをみた百合子が、
「ただ橘を見るとお見合い相手が怖がっちゃってね。全然うまく行かないの」と残念そうに言ってきた。

おそらくお見合い相手も私と同じような態度を取るのだろう。

私は百合子に同情しつつも、
お見合いをするとは思っていなかったため、疑問に思った。

ー百合子は自分が社長を継ぐのかと思っていた。
そして、橘さんのことが好きだと思っていたから。

そして、百合子は気付いていないが、
橘さんもきっと百合子のことが好きなはず。

「なんで急にお見合いを?」

ずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
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