偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

「お待たせしました」

私が作ったのはオムライス。

小さい頃から作っていて、
失敗する確率が低かったので、オムライスを選択した。

ーただあんな高級のカレーを普段食べている榊さんには、子供っぽすぎたかな?

お昼からずっと不安だった。

「わー、ありがとう」

榊さんは私の心配をよそに、
すごく嬉しそうにしてくれた。

「「いただきます」」

榊さんは一口食べて、
すぐに「美味しい」と微笑んでくれた。

その表情は嘘がなさそうで、
私はやっと安心することができた。

「良かったです」

そう返答すると、
榊さんはどんどん食べていき、
「おかわりってないよね?」と聞いてきた。

「すみません、おかわり作ってなくて」

今まで榊さんと夕飯食べているとき、
人並みくらいの食欲のイメージだったため、そこまで考えられていなかった。

「いや、大丈夫。
あまりに美味しくて…普段腹八分目にしているんだけど、つい食べたくなっちゃっただけだから」

榊さんは恥ずかしそうに言ってくれた。

ーこんなに喜んでもらえるなんて。
作って良かった。

私は自分もご飯を食べ終わり、
片付けしようとしたが、昼と同じ理由で断られた。

さっきまでは自分の夜ご飯が気に入ってもらえるか、
榊さんが余裕な態度なのに対して不安だった。

しかし、夜ご飯が上手く言った後、
今度はキスの先のことが不安になってきた。

ーまだ口にキスをされたこともないし…

最近は髪や頬、おでこなど色んなところにキスをされていたが、
口にだけはキスされたことがなかった。

ー私にそんな色気がないのかな?

立ったまま色んなことを考えていたところ、「どうしたの?」と話しかけられた。

そのまま考えを言う訳にもいかず、
「だ、大丈夫です!」と返答した。

榊さんは不思議そうにしつつも、
「本当においしかったよ。ありがとう。
また今度作ってくれると嬉しい」と言ってくれた。

「もちろんです。
違う料理も作りますね」

「楽しみにしてる」

榊さんが嬉しそうに微笑み、
少し沈黙が流れた。

ーこれはいい感じなんじゃないかな?

恋愛経験が乏しいながらも、
このまま目を瞑ればキスをするのではとも思った。

目を瞑った方がいいのかな?
それは積極的すぎる?

頭で色々考えても、
正解がわからなかった。

「じゃあ、家まで送るよ」
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