偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています
「あ、あの榊さんって、
色々慣れていますか…?」
「ん?どういう意味?」
「な、なんというか…
お家デートとか慣れているのかなって…」
ー引かれてないかな。
思わず俯きがちになってしまう。
「あはは。
家に人を招待するのって、楓が始めてだよ。」
「そ、そうなんですか。」
「うん。一人暮らししてから親でさえも呼んだことないな。
ちなみに、なんでそう思ったの?」
ー私は言いにくかったが、
この前のお泊まりのとき下着を用意してくれていたこと等が気になったことを伝えた。
「ああ、あれね…」
榊さんは言いにくそうにしている。
ーやっぱり元カノの?
聞かない方が良かったかな??
「恥ずかしいんだけど、
もしかすると楓が泊まるかもしれないと思って、色々用意していたんだ。
さすがにパジャマと歯ブラシは泊まりのとき間に合わなかったけど」
「え、そうだったんですか?」
「ふふ。そうだよ。
それ以外にも映画何が良いかとかもすごい話すイメージトレーニングしたりね。
でも次の日はもっと自然体でいいかなと思って、自分の好きな映画見てもらったり、
好きなラーメン屋さんに連れていったりしたけどね」
ー榊さん慣れていた訳ではなく、
私のために色々用意してくれていたんだ…
思わず胸が熱くなる。
「聞いてもらって良かった。
俺…今まで付き合った人がいなかった訳じゃないんだけど、こんなに好きになったのは楓が初めてだから」
真剣な表情で見つめられて照れてしまう。
でも、私も…
「わ、私もです」
ー私も榊さんに気持ちを伝えたい。
伝えてもらってばかりではなくて。
榊さんは久々に顔を赤くして、
手で顔を押さえた。
「あ、ありがとう。すごく嬉しい」
ー久々にこの表情見れて嬉しい。
でもこれだけじゃ、私の気持ちは足りない。
「私、榊さんとずっと一緒にいたいです。
この前お泊まりしてから、一人暮らしが初めて寂しくなりました」
榊さんを見ると、
手を押さえたまましゃがみこんでしまった。
「榊さん?」
「ごめん。
ちょっと想像していなかったからさ。
嬉しいんだけど、ちょっと急でちょっと…」
榊さんがしどろもどろ話している。
「あーなんでそんなに可愛いの?」
急に立ち上がったと思ったら、
と自分の髪をクシャクシャしながら何か独り言を言っていたが良く聞こえなかった。
「榊さんは…まだ結婚願望あるんですか?」
ー最近はあまり『結婚』というワードが出てこなかったけど…