偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

ー金曜日

榊さんの家に合鍵で入った。

入るとリビングに、
『食材が冷蔵庫に入っていること、
多分帰るのが20時過ぎになると思うから、お風呂とか入っていて』とメモ書きがあった。

冷蔵庫を確認すると、
お願いしていた食材が揃っていたので、
すぐに料理を始めた。

料理が終わる頃には、
まだ時間が余っていたので、
メモ書きの通りお風呂の準備をした。

洗面所に入ると、
女性用のパジャマが用意されていた。

『良かったらこれ着てね。』

そうパジャマの上にメモ書きがあった。

榊さんとお揃いのシルクのパジャマで、
用意をしてくれていたことに感動した。

ありがたくお風呂に先に入り、
用意されていたパジャマに着替えて、
ドライヤーが終わったくらいに榊さんが帰ってきた。

「おかえりなさい」

「ただいま。
パジャマ着てくれたんだ。似合ってる」

「ありがとうございます。
すごい着心地いいです。
榊さんもお風呂にしますか?」

「うーん、楓とすぐお揃いにしたい気持ちもあるけど、お腹空いたからご飯でもいいかな?」

「もちろんです」

ー私はすぐに料理を暖め直して、
リビングに置いた。


「「いただきます」」


「美味しい!」

榊さんが前と同様にパクパク食べてくれて嬉しい。


ーどのタイミングで百合子に話していた不安なこと伝えよう。

でも今ではないよね…

榊さんの様子を伺うと、
もう食べ終わりそうだったので、
私もすぐに食べることにした。

「「ご馳走さまでした」」

「食器の片付けしちゃうから、楓はソファーとかで少し休んでいて」

「疲れていると思うので、私やりますよ」

「いや、もうお風呂入っているし、
体冷やすのは良くないよ。
食洗機に入れるだけだから、休んでいて」

ソファーのところへ連れていかれ、
榊さんの言う通り、座らせてもらった。

榊さんが食洗機をすべていれた後、
「そういえば、楓用の歯ブラシ買っといたんだ。良かったら使って」
と洗面所から女性用の電動歯ブラシを持ってきてくれた。

「え、ありがとうございます。
おいくらでしたか?」

「いや、こっちで勝手に用意したものだから、お金はいいよ。」

「え、でも…」

気にしないでと言われたが、
なかなか高そうなものに見える。

「あ、ありがとうございます」

ここで無理に払うと言うのも失礼かなと思い受けとると、
榊さんが嬉しそうな顔をしていた。

「歯を磨いたり、なんでもしていていいからね。
テレビ勝手につけてもいいし。

俺は…そろそろお風呂入ってこようかな」

ー榊さんは本当に慣れている気がしてしまう。
昔付き合っていた人ともこんな感じに買ってあげたりしたのかな?

昔のことを考えても仕方ないと思いつつ、またグルグル考えてしまう。

『自分の頭のなかで、
榊さんの気持ちを考えようとしてもわからないよ!』

百合子に言われたことを思い出した。

ーこれからも榊さんが何かやってくれる度に、他の人にも同じことをしたのか考えるのは嫌だ。

素直に喜びたい。

私は榊さんに思い切って色々聞いてみることにした。
< 48 / 62 >

この作品をシェア

pagetop