偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています
ランチは百合子のごちそうになり、
そのまま橘さんの運転で色んなお店に向かった。
全身を着替えさせられたり、
一緒にデパコスに行ってコスメを試させてもらい、
服やコスメをプレゼントしてもらった。
服に関しては2日分以上のものをプレゼントしようとしてきたので断り、
コスメも必要最低限でお願いした。
それでも、いつもと違う姿の自分を鏡でみて、びっくりした。
「楓可愛い!
いつもの薄いメイクも可愛いけど、
こっちも素敵!」
百合子に褒められて、にやけてしまいそうになる。
「でも、本当にこんなプレゼントしてもらっていいの?」
「もちろん!
むしろお見合いでいつもと違うメイクと服装をすることになってごめんね」
「うんうん!全然大丈夫だよ。
ただ百合子のコスメや服を1日だけ借りることもてきるのになって思って」
「いや、そこは本当にプレゼントさせてほしい!どれも楓にお似合いだから」
そう言ってもらって、
ありがたくプレゼントはもらうことにした。
忙しいと言っていたのに結局全てのお店に付き合ってもらい、
家まで送ってもらった。
おそらく今日もこの後、仕事かお見合いがあるのだろう。
「そういえばお見合いの相手ってどんな人なの?」
「○○会社の社長で、
名前は榊恒一さんだよ」
「○○会社?すごい大手じゃん」
「そうなの。ただ外見はわからなくて…
お見合いするとき写真を送ってきたりしてくれる人もいるんだけど、
榊さんは忙しくて写真とかないんだよね。
まあ私も忙しくて写真送ってなくて、そのおかげで顔もバレてないんだけど」
ー○○会社の社長か…
そんな人と話し合うのかな
一気に不安が押し寄せてくる。
「こんなことお願いしてごめんね。
今回は断られるのが目的みたいなところもあるから、上手く喋ったりしようとしなくても大丈夫だからね」
私の不安そうな顔を見て、百合子がそう言ってくれた。
ー確かに、
お見合いを成功させてほしいというよりは断然やりやすいかも。
「わかった。頑張ってみるね」
私はそう百合子に伝えて、
自分の家の前で別れた。
ーここまでしてもらったんだから、頑張ろう。
そう思いながら家に入った。