矢神さん僕の事誘ってます⁈

別れ

日尾くんと恋人同士として付き合い始めて数ヶ月が過ぎた…



リハビリと称して付き合い始めた私達だったけれど、実はお互いに気にし合っていたということが分かり、両思いだったことが意外だった…



最近ではお互いの家を行き来するのが定番で、泊まりとまではいかないが、仕事帰りにお互いの家にご飯を食べに行く事も少なくない…



まるで最近の私達は半同棲生活を送っているようだなと仕事中にニタニタしてしまい、仕事に身が入らない…



「矢神さん、この見積書お願いできますか⁇」



ぼーっとしている私に、新人の宮部さんが怒ったように私に見積書を差し出した…



あの後、出社すると私は宮部さんに屋上に呼び出された…宮部さんは飲み会の時に日尾くんにハッキリと振られた事が余程ショックだったらしい…



「やっぱり矢神さんて日尾先輩と付き合ってるんじゃないですか⁇」



宮部さんの口調は明らかに怒っていて、私よりも7つも年下なのに自信に満ち溢れている…私はそんな宮部さんがキラキラしていて羨ましくなった…



「うん。私は日尾くんと付き合ってるんだ…言えなくてごめん…宮部さんがどんなにキラキラしてて可愛くても、日尾くんは渡せない‼︎宮部さんには負けないから」



自分でもビックリするような言葉が出た⁉︎まだ心臓がバクバク言って煩くなっている…まさか私が可愛い新人の子に宣戦布告できるなんて⁉︎数ヶ月前の私からは考えられなかっただろう‼︎



宮部さんは髪をかき分けながらハーと溜息を一息ついた…



「本当に2人共見ているこっちが馬鹿馬鹿しくなっちゃう⁉︎2人で勝手にやっててって感じです⁉︎別に私日尾先輩がそこまで好きな訳じゃありませんから⁉︎ただちょっと見た目がいいから狙おうかなと思っただけです」



あー馬鹿馬鹿しい⁉︎宮部さんは半ば呆れたようにそう吐き捨てるように言い残すと、ヒールの踵を返して颯爽と去って行った…



あれはもう…諦めたって事なのかな⁇私は自分が言ってしまった事が我ながら恥ずかしくなる…でも、不思議と心は晴れ晴れとして、スカッとしていた…



日尾くんを思う気持ちは誰にも負けない…私は自分が言った一言が自分でも信じられないくらいだった…
< 43 / 62 >

この作品をシェア

pagetop