地元なじみ。
チラッと早川くんを見ると、特に表情も変えずにみんなの方を見ている。
この状況でパスタを食べ始めるわけにもいかず、私もじっと待つ……しかない。

「ひなたっ!まじ?どういうこと?」
「は?」
「だから~彼女!できたの?」
「……」

テンション高く話しかけてきた男子とは対照に、早川くんは冷静な表情で、引き続きその男子を見ている。
彼女……今の私にはなかなかデリケートなワードである。

「……はあ。そこ通路だから。他の人にも迷惑になる」
「ああ、そっか。悪い」
「そっちも楽しんでんだろ、席戻ったら」
「ごめん、ひなたぁ……怒った?」
「怒んねーよ。また学校でな」

そう言って早川くんはいたずらに笑いながら男子の肩をポンポンと叩く。
美玲ちゃんたちも促されるように席に戻って行った。

「何か、悪い……」
「す……すごいね、早川くん」
「は?」
「なんだかんだ波風立てないでくれて……」
「まあ、友達だし」

考えてみれば、平塚くんたち以外と話す早川くんを初めて見たかもしれない。
学校でもあんな感じなのかな。
新たな一面を見られて嬉しい反面、やっぱり同じ学校は羨ましいなって思う。

「そっか、だから平塚くんと仲良いんだね」
「は?」
「平塚くんも似てるよね、みんなと上手くやるっていうか」
「まーあいつはそうだな」
「そんな2人だから惹かれ合って仲良くなったのかもね」
「すげーゾッとする表現だな」
「あはは!でもさ、平塚く……」

言いかけた時、正面に座る早川くんから私の口元近くに手が伸びてきた。
驚いて思わず、言葉を止める。
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