地元なじみ。
パシュッ――


「わー!!」
「あかりナイッシュー!」

遠いところから、スリーポイントシュートを決めることができた。

よしっ、いける!

勢いそのままにディフェンスに移ると、チームメイトがパスカットに成功したボールがサイドライン際に転がった。

これを取れば、そのままうちのボールで得点に結びつく……!

そう思って思いっきりボールに飛び込む。
けれど、ボールの勢いが強く、そのままサイドラインを出て私も倒れてしまった。

相手ボールだ……悔しい。


「大丈夫ですか?」

倒れたまま顔を上げると、転がったボールを拾いながら声をかけてくれたのは早川くん。
私が倒れ込んだのはスコアやタイムキーパー席の目の前だった。

「大丈夫ですか?」

そのボールを審判に渡して、再度早川くんが問いかける。
試合中だし、他人行儀な形式的な態度で。
そして私もそんな態度で返事をする。

「あ、はい。大丈夫です」

急いで起き上がりコートに戻る時、背中越しに小さな声が聞こえた。

「ナイスファイト」

この人は……どこまで私を好きにさせるんだろう。
こういうさりげない優しさに何度も助けられてきた。

「ひなた、珍しいな」
「知り合い?」
「……別に」

周りの男子たちとのそんな会話が聞こえながら、私はチームメイトの元へ走った。
< 120 / 140 >

この作品をシェア

pagetop