地元なじみ。
*衣笠美玲のラブレター*
私、衣笠美玲がひなたくんと初めて会ったのは、中学入学直後のバスケ部だった。
小学校が違ったから、ひなたくんのことは中学で初めて知った。
最初は単純に、顔がカッコいいなって印象だった。

私はそれなりに自分の外見が整っている自覚はあった。
パチリ開いた二重、生まれながらの色白、柔らかいふわっとした細い髪。
中学に上がって、男子からの可愛いという視線は顕著になった。

モテたいとか彼氏が欲しいとかではなく、私は1人でいるのが嫌。
例え顔目当ての男子でも、近づいて来る男子目当ての女子でも……
一緒にいてくれるなら、男友達も女友達もウェルカムだった。
そのためなら、少しぶりっ子だっていいじゃない。


だからひなたくんにもそんな感じで近づいたけれど。

「あ、早川く~ん!ボールありがと~!」
「ああ」

あ……この人は通用しないな。
ひなたくんの反応を見て、自分が一番苦手とするタイプの男子なんだなって直感した。

だからひなたくんは私に一番合わない人。
そう思っていたのに……


「え、相変わらずゴリラみたいな点数取ってるね」
「ちょっと!?」
「ふはっ!」

中学に入学して少ししてから通い始めた塾で会ったひなたくんは、全く違う顔をしていた。
学校では見たこともないような心からの笑顔、笑い声、優しい声色。

一瞬で心をつかまれてしまった。

けれど、同時に分かったこともあった。
ひなたくんがそんな顔をしたり、自分から話しかける相手はいつも一緒だということ。
いつも1人の女の子を目で追っていること。
それはたった1人、あかりちゃんだけってこと。


それでも、学校が違う2人より、学校も部活も一緒の私の方がチャンスは多いはず。
そう思って、私だって色々と手は打ったつもり。

けれど、いつもいつも。
遊園地だって、花火大会だって、練習試合だって、クリスマスだって……

ひなたくんは最後は、あかりちゃんの元へ行ってしまう。
< 178 / 182 >

この作品をシェア

pagetop