地元なじみ。
お揃い……
それに、さくらって名前で呼んでるんだ……
「藤沢さん……」
「林くん、大丈夫だよ?」
「きっとあのキーホルダー、部活のみんなで一緒とかそういうのじゃない?バスケのデザインだったし」
「うん、ありがとう」
分かってる。
林くんの言う通り、きっと部活のみんなでお揃いとかなんだと思う。
そういう点では、早川くんのことはかなり信じている。
けれど……やっぱり勝手にモヤモヤしてしまう。
最近の私はウジウジが多くて嫌になる。
こんなワガママな自分も嫌だ。
「林くんにも気を遣わせてちゃってごめんね、ありがとね」
「いや俺は別に……」
「あかりお待たせ―!」
ちょうどその時、のんちゃんと平塚くんが戻ってきた。
そしてすぐに林くんの友達も来て、林くんも帰って行った。
「おかえりなさい。どうだった?やっぱ広かった?」
「すごかった、普通にサッカー2面分取れる広さだったよ」
2人で楽しそうに話している。
のんちゃんも最初あんなに躊躇っていたのがウソみたいに、今では立派なサッカー部のマネージャーだ。
「あっそうだ、雨降ってきたんだ」
「え?」
「外いたらポツポツときてて。私たち傘持ってないから、急いでもう出ちゃおうかって話してたんだけど……」
「藤沢はひなた待つんだっけ?」
「うん。私は傘あるし、2人は今帰った方が良さそうだね」
「でもあかり……他校で1人で待つなんて……」
「ありがと、のんちゃん。でも大丈夫!風邪ひいたら困るし帰っちゃって!」
「ご、ごめんね。あかり」
そう言ってのんちゃんと平塚くんを見送る。
2人の姿が見えなくなった頃、ちょうど私のスマホに早川くんからのメッセージが届いた。
『ごめん、部活の集合で少しだけ遅れる』
こんな日にも集合がかかるなんて、大変だなあ。
それでも、この後早川くんに会えると思えば、全然平気。待っていられる。
終了の放送が流れたばかりだから、校内はまだ北高生以外の人もいっぱいいる。
けれど、私もずっとここで待つわけにもいかない気がする。
外に移動しようかとも思ったけれど、のんちゃんたちの言う通り、本当に雨が降ってきていて、出来ればギリギリまでここで粘りたい。
雨か……
窓の外の様子につられるように、少し暗い気持ちになってきた時、私の前に人影が落ちた。
淡い期待を胸に顔を上げる。
「……美玲ちゃん」
「ひなたくん待ってるの?」
「あ、うん……」
つい肯定してしまったけれど、言わない方が良かったかな。
まさか美玲ちゃんが1人で話しかけてくるとは……想定外過ぎて少しドキドキする。
「み、美玲ちゃんがいるってことは、もう解散したの?」
「うん、もうすぐみんなも降りてくると思うよ」
「そ、そっか。こんな日でも集まるなんて、バスケ部熱心だね」
「バスケ部?何のこと?」
「え、集まりがあるって……」
「ひなたくんが?」
「あ……うん」
あれ、いまいち話がかみ合わない。
スマホを見ても、特に新しいメッセージは来ていない。
だいたいいつも、終わったら連絡をくれるのだけれど。
「……今日、バスケ部の集まりなんてないよ」
「え……」
「ひなたくん、女の子に呼び出されてたよ?」
「え……」
「告白じゃない?」
窓の外は真っ暗になり、雨が強くなっていた。