地元なじみ。


家に着き自分の部屋に入って、もらった紙袋3個を机に並べる。

早川くんからは思った通りクッキー、平塚くんからはマカロン、三島くんからはマドレーヌとフィナンシェだった。
私はマカロンとフィナンシェがお菓子の中でも特に好き。
けれど、視線が行くのは……特に嬉しいって思ってしまうのは……クッキーだ。

早川くんがホワイトデーという日を認識していて、お返しするっていう概念がちゃんとあって、そのためにお店に行って、女子向けのお菓子を選んでくれて買ってくれて……
ぶっきらぼうなところもあって、会話も続かない、あの早川くんが……

そう考えるだけで、ドキドキして、顔が熱くなって、嬉しくて。
何かがこう、ぐわーっと胸から湧き上がってくる感じ。

『早川くんのこと好きなんじゃない?』

梓ちゃんの言葉が脳内に聞こえてくる。
熱を持った頬に両手を当てて、少しでも冷まそうとする。
けれど全く冷める気配はない。むしろ熱くなっている。

「うそ……本当に?」



小学校6年生の冬、いや小学校卒業を来週に控えた冬の終わり――私は人生初めての恋をしてしまったらしい。

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