地元なじみ。
ふーっ……
陽が傾いてきた頃、練習試合が終わって1時間近く経つのに、いまだに少し弾んでいる心臓を落ち着かせながら歩く。
一緒に見ていた友達とはさっき別れて、夏期講習があるため私は1人塾へ向かっている。
なんか……塾で普通に居られるかな……いつも以上に意識しちゃい……
ドンッ――
後ろから肩に何かぶつかったような気がして振り向くと……そこには意識してしまう原因の相手がいた。
「は、はっ早川くん!」
「驚きすぎ」
「そりゃ驚くよ……なんで1人?」
「みんなはバスで帰った。俺らの中学まで行くバスあるから」
「あ、確かに」
相変わらずの続かない会話で、無言で並んで歩く。
もうすぐ日が沈むのかな、横から思いっきり夕日の光が差し込んでくる。
このまま一緒に歩くで……いいのかな。一緒にいることにドキドキするのはもちろん、このまま塾まで一緒に歩いて行けるのかなって意味でもドキドキする。
多分……こうやって一緒に歩くのは初めてな気がする。
学校が違うと、本当に塾以外では会わない。塾での姿しか知らない。
だから去年の夏祭りを少しの間とはいえ一緒に過ごせたのは、貴重で奇跡的な時間だったんだなと、気持ちに気づいてから痛感。
「みんなとバス乗らなかったの?」とか「このまま一緒に塾向かうでいいの?」とか……聞きたいことはあるけれど、言ったらこの時間が終わりそうで。
何も言わずに、ただただ並んで歩く時間をかみしめた。