地元なじみ。
「平塚くん…?」
転がった容器を拾い上げて藤沢に渡すと、目をまんまるくして驚いていた。
いや、俺が通う中学なんだから俺がいてもそんな驚くことはないだろ。
って思ったけれど、藤沢が普通の思考回路ではなく混乱していっぱいいっぱいなのは、遠目で見ていた以上に真っ赤にした顔を見て、すぐにわかった。
「大丈夫?」
「あっうん!うん!ありがとう、平塚くん」
お礼を言った後、藤沢はチラチラと俺の目を見ては逸らし、を繰り返していた。
何を考えているのか手に取るようにわかる。
「ごめんね、のぞき見をするつもりはなかったんだけど……」
「あっ、やっ、その……別に平塚くんが謝ることじゃ……」
俺に告白現場を見られていてことがわかって、見られていたのかどうかわからない状況から逆に安心したのか、藤沢が少しずつ落ち着いてきた。
「藤沢、練習試合?」
「あっうん、だからもう行かなきゃだ……」
「ジャージ似合ってるじゃん」
「えっ……普通のジャージだよ?」
ユニでもないし……なんて言いながら、ジャージで褒めた俺が変なヤツだと言わんばかりに藤沢は俺に向けて渋い顔をしている。
変なヤツと思われるのは不服ではあるが、落ち着きが戻ったならよかった。