地元なじみ。
「なんでここにいるの」
「別に、通りかかっただけ」
「声かけなくてよかったの?」
「何が」
相変わらずのひなただ。
今までも何度か藤沢の話題を振ったことがあるけれど、いつもこんな感じだ。
女子とほとんど話さないひなたがここまで心を開いて、一緒にいることを許している時点で藤沢は特別な存在なはずなのに。
多分、ごまかしているとかではなくて、本当にそういう感情を知らずに、気づいていないのだろう。
「練習試合、一日中やるの?」
「その予定」
「なら、後で見に行こうかな。サッカー部は午前練だし」
「いいんじゃない」
「藤沢に怒られちゃうかな」
「知らね」
そんな会話をして、ひなたも体育館へ戻って行った。
その後ろ姿は、なんとなくだけどさっきの藤沢と似ているような気がした。
「人の気持ちって面白いね、三島」
「は?」
準備を終えてちょうど今外に出てきたばかりの、何も知らない三島に声をかける。
三島もひなたと同じタイプ。女子と絡まない、恋を知らない。
強いて違いを言えば、ひなたが意図的に女子苦手オーラ出しているのに対して、三島は単に無関心ってところか。
当然、三島は何言ってんだコイツって顔をしている。
人間観察ってやっぱり面白い。