地元なじみ。

「あれ、あかりはそっち?」
「うん、親が近くにいるから迎えに来てくれるって」
「そっか、じゃあね~!」
「うん、お疲れさま」

すっかり日も沈み空が紺色に染まってきたころ、男子の試合や、1年生の試合など何試合かやった充実した練習試合が終わり、早川くんの学校の昇降口で解散となった。
顧問の先生に足を痛めたのがバレてしまっていて、私は結局あの後、試合には出ずにスコアラーや得点係に回っていた。
情けないけれど、悔しさやモヤモヤを引きづっていたので、ちょうどよかったのかもしれない。

みんなと帰りたかったけれど、この足の影響でみんなと同じ速度で歩けそうにないし、ちょっと1人で反省会をしながら帰りたかったから、親がいるなんてウソをついてしまった。
私は今、みんなを見送り遅れて1人、校門へ向かって歩いている。

これが……早川くんの中学校。ここをいつも通ってるんだよね。
辺りを見回して、早川くんの日常の光景を思いっきり目に焼き付ける。

「今帰り?」

そんな時に、後ろから誰かに声をかけられた。
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