地元なじみ。
「佐藤くん……?」
「珍しいね、1人なの?」
「う、うん……」
どうしよう……目が合わせられないし普通に話せない。
朝のことを思い出して勝手に気まずくなってしまう。
佐藤くんは隣に並んで一緒に歩き始めた。
え、このまま一緒に帰るの……?ちょっと歩くの速くて頑張らないとだなぁ……
佐藤くんには申し訳ないのだけれど、後ろ向きな感情ばかりが出てきてしまう。
パシッ――
少し困っていた時、後ろから手を掴まれた。
「ちょっと来て」
「……えっ!?」
「いいから」
「ちょっ、ちょっと!早川くん!?」
手を掴んだ人の正体は息を切らした早川くんだった。
早川くんは明らかに校門とは反対の、校舎の方に向かおうとしている。
びっくりして何が起こっているのか全く分からないけれど、これだけは言える。
早川くんに話しかけられて嬉しい。早川くんと一緒にいたい。
「佐藤くんごめん、知り合いなんだ。ちょっと行くね」
「えっ……」
「ごめんね」
くるりと体の向きを変え、早川くんの方を向く。
ポツンと残された佐藤くんへの申し訳ない気持ちを持ちつつ、校舎の方へ歩き出した。