地元なじみ。

「佐藤くん、ごめんなさい」
「……夏休みまでまだあるけど」
「うん、わかってる。でもね、ずっと好きな人がいて……きっと変わらないから」


花火大会当日――午前中の部活の練習終わりに、私は佐藤くんを校舎裏に呼び出した。

告白のお断りをするために。
夏休みは花火大会の1週間後からなので、約束の期限より早まった形である。

早川くんに告白しようと思った時のことや、昨日の女子会で告白の難しさを痛感した。
佐藤くんがどれだけ勇気を出して告白してくれたのか、ほんの少しかもしれないけれどわかったつもりだ。
だからこそ、誠実にちゃんと返事をしたいと思った。
断るのが申し訳ないとかではなくて、きちんと自分の気持ちを伝えないとって。

「告白してくれたこと、ビックリしたけど嬉しかった。ありがとう」
「……そっか」

これ以上、ごめんねと言うのも違う気がするし、何も言えず沈黙が続いた。
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