地元なじみ。
*平塚 薫の人間観察日記*水族館編
「わ~マンタ大きいね!」
「こっちチンアナゴいるよ、可愛い」

花火大会の日の午後――水族館。
今夜は花火大会だが、俺、平塚薫はひなたや藤沢たちと6人で今、水族館にいる。

なぜ水族館かというと、この水族館は花火大会会場の対岸にあるため、敷地内の海沿いエリアから花火がきれいに見られるらしい。
混雑した中で場所取りするのも大変かと思い、ここへ来てそのまま花火も見ようと提案した。
……というよりは、以前姉2人の、花火大会デートが混雑で台無しでここで見たかった、というなんともワガママな愚痴を聞いていたから、一応この案を提案してみたってところだ。

「花火大会前に水族館なんて、なんかおしゃれだよね」
「うん、浴衣で水族館なんてなかなか来れないもんね」
「チケット予約してくれた平塚くんに感謝しないとね。当日券はもうないみたい」
「えっそうなの」

水槽を前に話す、女子たち3人の声が聞こえてくる。
……今日だけは、あの姉たちに感謝しよう。
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