地元なじみ。
中2*水族館
――これにてイルカショー開幕です。ありがとうございました――
早川くんと2人で見ていた、15分ほどのイルカショーが終わった。
席から立ちあがろうとした時、少し浴衣が足に引っかかってしまってもたついてしまう。
「ごめん、お待たせしました」
「うん」
早川くんは私の浴衣と座席の間あたりをボーッと見ている。
「どうしたの?」
「いや、座ったりするの大変だったよなって。濡れる可能性もあったし……悪い」
「全然!むしろ濡れそうな時に備えて、すぐにガード出来るようにずっとタオル構えててくれたでしょ。気にかけてくれてありがとう」
イルカショーの会場に入る前に、万が一濡れた時のために売店でタオルを買っていたのだ。
早川くんが買うって言った時に、さりげなく私も同じものを買ってお揃いにした。えへへ。
タオルを構えていてくれたことが私にバレてて恥ずかしいのか、早川くんが少し照れながら呟く。
「そりゃそうでしょ。せっかくそんなかわ……」
言いかけたところで、早川くんはハッと口をつぐんで口元に手を当てた。
私は珍しく勘が働き、言いかけた言葉が読めてしまった。
早川くんの口からその言葉が出かけただけで十分嬉しいのに、私の脳内でイタズラな悪魔の囁きが響く。
聞きたい……早川くんの口から。