御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
「すごい……」

 天井まではめ殺しの大きな窓に圧倒される。
 日中であってもこれだけ景色がいいのだ。日が落ちればさらに夜景が綺麗に見えるだろう。

 リビングには大人が複数人座っても大丈夫なソファーにダイニングテーブル、アイランド型のキッチンにバーのようなカウンターまである。
 置かれている家具もおしゃれで、洗練されたインテリアコーディネートに、終始キョロキョロと視線を動かしてしまった。完全に場違いだ。

「こちらにどうぞ」

 どうぞと指し示すソファーが広すぎて、どこに座ったらいいのかわからない。とりあえず端っこに腰掛けたら、彼も少しだけ離れて隣に座った。

「早速なんですが……。結婚生活を始めるにあたり、いくつか書面で決まり事を残しておいたほうがいいかと思いまして」

 そう言って、彼がソファー前のローテーブルに手を伸ばす。
 気付かなかったけれど、一枚の紙が置かれていた。

「あなたにとっては不本意な結婚かもしれませんが、結婚したからにはいくつか守っていただきたいことがありますので」

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