政界のプリンスは年上彼女の溺愛を閣議決定しました!
 桜がひらひらと舞い散る公園で、男女は別れを経験する。
「国の指示で、家族ごと関西に行くことになった。もう、会えない……!」
 香子は目に涙を浮かべ、口を歪ませる。
「就活も厳しいかも、お父さんの事件がマスコミに報道されたから」
「でも、文章や通話ならできます」
「でも、会えないよ、もう」
 悠斗は鼻をすすった。そして涙声で、
「香子さん、俺、政治家になって迎えに行きます」
 香子が頭を上げた。
「香子さんのお父さんに二度と悔しい思いはさせない。政治家と官僚が互いに尊重しあえる日本を作ります。香子さんみたいな人がなりたい仕事につけて、与党保守党が暴走しないように内部から改革します!」
 秋津悠斗のプロポーズの言葉は同時にシビアな現実を突きつけるものではなかったか。
 香子はきっと就活もうまくいかず、非正規なりそれに近い職になるだろう。
 これから、残酷な現実が待っている。
 それでも……
「信じているね」
 それが彼女なりの今できる精一杯の返事だった。
 悠斗は香子をぎゅっと抱きしめた。
 胸が密着し、ときめきが伝わる。髪の匂いが鼻を満たす。

 この想い出、温もり、絶対忘れない。
 
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