政界のプリンスは年上彼女の溺愛を閣議決定しました!
お付き合いを始めて一ヶ月後の夜、香子の運転する車で悠斗の家の前を通りかかった。
聞けば、継父が国会議員で多忙。日本教職員組合幹部の実母とも疎遠だと言う。
「今日は、朝まで一緒にいたいなあ」
悠斗が助手席から香子の手に手を伸ばし、温もりを確かめる。
「だめだよ悠斗君、貴方は高校生なんだから」
香子は悠斗の手を押さえる。
「そんなの国家権力でねじ伏せてやる」
香子は秋津悠斗を面白いと思ってしまった。
パチパチと政治家モードと甘えん坊モードが入れ替わるからだ。
「でも、やっぱりだめだよ」
甘い誘惑だったが、芯の強い香子は断る。
「わかりました」
悠斗は今度は潔く引き下がり、代わりに握る手にやや力を込める。指を絡ませ、恋人繋ぎになる。
車の走行音だけが響く、ある意味静かな空間。
スマホが鳴る。運転中なので無視しているがしつこい。
仕方なく、近くのコンビニに車を止めて、電話に出る。
「もしもしお父さん? うん……え!? 転勤?」
悠斗が香子を凝視する。
「私もお母さんも凪子も? 皆んなで? それはおかしいでしょう……え? 青梅副総理の命令?」
時系列は遡る。
財務省財務大臣執務室において、副総理兼財務大臣の青梅一郎はデスクの前に桜俊一を立たせ、辞令を読み上げていた。
「お前さんには公文書改竄の監督責任を被って地方に行ってもらう」
青梅は曲がった口でだみ声で頬杖をつく。絵に描いたような悪人面だ。
この悪人面の老人は総理経験もあり、物部泰三内閣総理大臣の盟友である。
財務官僚のためというよりは、物部政権を守るために動く。
「これはマスコミからお前さんを守るための措置でもある」
空虚な響きだった。
「はい……」
聞けば、継父が国会議員で多忙。日本教職員組合幹部の実母とも疎遠だと言う。
「今日は、朝まで一緒にいたいなあ」
悠斗が助手席から香子の手に手を伸ばし、温もりを確かめる。
「だめだよ悠斗君、貴方は高校生なんだから」
香子は悠斗の手を押さえる。
「そんなの国家権力でねじ伏せてやる」
香子は秋津悠斗を面白いと思ってしまった。
パチパチと政治家モードと甘えん坊モードが入れ替わるからだ。
「でも、やっぱりだめだよ」
甘い誘惑だったが、芯の強い香子は断る。
「わかりました」
悠斗は今度は潔く引き下がり、代わりに握る手にやや力を込める。指を絡ませ、恋人繋ぎになる。
車の走行音だけが響く、ある意味静かな空間。
スマホが鳴る。運転中なので無視しているがしつこい。
仕方なく、近くのコンビニに車を止めて、電話に出る。
「もしもしお父さん? うん……え!? 転勤?」
悠斗が香子を凝視する。
「私もお母さんも凪子も? 皆んなで? それはおかしいでしょう……え? 青梅副総理の命令?」
時系列は遡る。
財務省財務大臣執務室において、副総理兼財務大臣の青梅一郎はデスクの前に桜俊一を立たせ、辞令を読み上げていた。
「お前さんには公文書改竄の監督責任を被って地方に行ってもらう」
青梅は曲がった口でだみ声で頬杖をつく。絵に描いたような悪人面だ。
この悪人面の老人は総理経験もあり、物部泰三内閣総理大臣の盟友である。
財務官僚のためというよりは、物部政権を守るために動く。
「これはマスコミからお前さんを守るための措置でもある」
空虚な響きだった。
「はい……」