【番外編】あなたが白制服に着替えたら、それが愛のはじまり


「夏帆っ、大丈夫かっ」

病院の出産待機室で入っていた夏帆のもとに柊慈がやってきた。
ここでようやく小林ママと柊慈が交代となった。


助産婦が夏帆の内診を終えると、
「子宮口も全開大してるね。分娩室に移動しましょう」
と促した。


「夏帆、頑張れっ」
分娩室では柊慈が夏帆の手を力強く握り励ます。
汗だくの夏帆が助産婦の声掛けと共にいきむ。

「次で産まれるよー。最後、頑張って」

夏帆は大きく呼吸をしてうなずく。
そして力いっぱいいきんだ。



 ふぅぎゃ―――



「おめでとう。産まれましたー」

助産婦が産まれたばかりの赤ちゃんを柊慈に見せた。
柊慈は赤ちゃんの性別を知った瞬間、感動で目頭を抑えた。
そんな柊慈の姿を見た夏帆は胸が熱くなる。


「はい、成瀬さん。元気な―――」


そう言って助産師がタオルに包まれた赤ちゃんを手渡す。
夏帆は手を伸ばして赤ちゃんを抱きしめる。



「―――男の子ですよ」



夏帆と柊慈は同時に涙が流れる。

夏帆はなんとも言えない感動の中、赤ちゃんに向かって声をかける。



  「やっと逢えたね。…翔」



あの時、感じたんだ。
きっといつかまた会えると。

天使待機所からきた、成瀬翔くんに。
< 19 / 20 >

この作品をシェア

pagetop