【番外編】あなたが白制服に着替えたら、それが愛のはじまり
個室の風呂場は外の日差しが差し込む。
こんな半野外なところで柊慈に裸をみせるなんて初めてのことだ。
隅から隅まで知っている仲だとしても、夏帆にとってはハードルは高い。
(柊慈さん、もう裸になってる…。
自然光の下でお風呂なんて…恥ずかしすぎるけど…)
服を脱ぎタオルで体表面を覆いながら入室する。
柊慈は夏帆を気にすることなく外の景色を堪能しているようだ。
その隙に夏帆はタオルを取り入水する。
(ふあー。あったかい…。芯からあったまるよー)
夏帆の表情がふにゃりと崩れた。
霧島の温泉は無色で独特な臭いはなかった。
(地元の温泉はしょっぱかったのよね。温泉にも個性があるのね)
夏帆が手のひらでお湯を掬いマジマジと観察していると突然、後ろから柊慈の腕が伸びてきて夏帆の胸と腹を抱え込んできた。
「うひゃぁ」
夏帆が驚き水面が揺れた。
「どう?この温泉は?」
夏帆の背後に柊慈がピタリとはりつく。
「う、うん。とっても温まるよ。疲れも癒されるね」
「…そう」
夏帆のその言葉を確認したら柊慈は後ろから夏帆の首に吸い付いてきた。
温泉の熱なのか照れているのか、夏帆の頬がピンクに染まる。
「あ、あの柊慈さん…ここではちょっと…」
夏帆が牽制すると柊慈が不満気に顔を上げた。
「なんで? 夏帆がお風呂で3回やろうねって言ったのに」
ととぼけてきた。
「お風呂に3回入ろうね、だよ! 柊慈さん、わざと間違えているでしょ⁈」
夏帆が恥じらいながら指摘すると、柊慈がいたずらっ子のように笑った。
「柊慈さん、キャラが変わった?」
「変えたのは夏帆。責任とって」
柊慈は冗談っぽくそう言うと、夏帆を半回転させ自分の太ももの上に乗せた。
柊慈と対面馬乗りの状態に夏帆はたじろいでしまう。
「こ、これはちょっとっ…」
しかし柊慈はそんな夏帆のうなじを手で抱えると簡単に引き寄せ唇を奪った。
「…んっ…」
夏帆の吐息が漏れる。
そういえば久々の柊慈との触れ合いだということに気が付いた。
3月は夏帆にとって初めての引越し作業と幼稚園の退職が重なり、てんてこまいだった。
平日も休日もなく、やらねばならないことを一つ一つこなし疲労困憊。
振り返れば自然と柊慈との甘い生活は遠ざかっていた。
(きっと柊慈さんが私を気遣っていたんだ)
今、柊慈に抱かれ改めてそのことに気がついた夏帆だった。
(柊慈さん、我慢してくれていたんだ…。
それなら私も恥じらいを捨てて、がんばらないとっ!)
柊慈の思いやりはいつも夏帆の想像を超えてくる。そんな柊慈に愛を感じて心も身体もきゅんとなる。夏帆はそんな柊慈に恩返しがしたいと思った。
「柊慈さん…いつも私を思いやってくれてありがとう…」
そういって夏帆は目を細め頬をピンクに染めた。その何とも言えない艶っぽさに柊慈は見とれてしまった。自然光に照らされる夏帆の肌はピンクパールのように透き通っていた。そこに欲情を刺激するピンク色の頬と唇。
(これは…女神だろ…)
しかも慣れない体勢での取り組みに戸惑いながらも、夏帆自ら懸命に奉仕しようとする一途な姿…。
なされるがままの柊慈は、まばたきを忘れて見入ってしまう。そんな柊慈に突然、急峻な快楽が襲いかかってきた。
(やばいっ…)
焦った柊慈は、ぐっと下半身に力を入れて我慢しようとするが、快楽の頂がすぐそこまできているのがわかった。
自衛隊で培った忍耐力など新妻の奉仕には敵わないのか。
とっさに腰を引いてなんとか快楽の波をよけようとした。
が、その時だった。
「柊慈さんっ、動かないでっ!」
柊慈は夏帆に肩を抑え込まれた。華奢な夏帆の身体のどこにそんな力があるのかという勢いで。
夏帆は恥じらいながらも瞳をきらめかせて言う。
「私も、柊慈さんのためにがんばるからっ!」
そう言って慣れぬ腰つきで、浮力に負けず懸命に自分の最奥を柊慈に打ち付けてきた。
発熱したような熱い快楽が柊慈の一点に押し寄せる。たまらず柊慈の顔が歪んでしまう。
(これは我慢が効かない!)
「ちょっとっ…だめっ…夏帆っ動かないでっ」
珍しく柊慈が弱気になった。が、恩返しがしたい新妻はさらに湯がこぼれるくらいに水面を揺らし続ける。
残念なことに、コントロールできなかった絶頂が柊慈の目の前にやってきた。
そして柊慈は初めて主導権を握った新妻に瞬殺されるのだった。
※
「このハマチのお刺身、すっごく美味しいよっ」
夕食は部屋食であった。
地元の食材を使った豪華なお膳。
夏帆は御御御付を一口いただく。
「かつお出汁も美味しいね。鹿児島はかつお節の生産量1位なんだって。帰りに買っていこうね?」
「……」
豪華な食事の前でも心ここにあらずな柊慈に夏帆は首をひねる。
「柊慈さん、食べないの?」
「…ああ。いや…」
「ぼーっとして、何を考えているの?」
夏帆が柊慈を覗き込む。
「ん…。新妻にリードされるのも悪くないなと」
どうやら、先ほどの風呂場での出来事のことを言っているらしい。
「あ、あの時は私も一生懸命になっちゃって…。ねぇ、せっかく美味しい食事の時間だよ。頭を切り替えて食べようよっ」
夏帆は真っ赤になりながら言った。
「このお刺身、美味しいよ。柊慈さんも食べてみて」
夏帆に勧められて柊慈はハマチの刺身を一切れ拾いパクリと食べた。
夏帆はその感想が聞きたくて箸を止めてウキウキしながら待った。
柊慈はもぐもぐしてからごくりと飲み込み、そして口を開く。
「夜はどっちがリードする?」
「…柊慈さん、やっぱりキャラ変わったね…」
こうして二人の夜はふけていった。
お互いに違う一面を知った一日であった。
こんな半野外なところで柊慈に裸をみせるなんて初めてのことだ。
隅から隅まで知っている仲だとしても、夏帆にとってはハードルは高い。
(柊慈さん、もう裸になってる…。
自然光の下でお風呂なんて…恥ずかしすぎるけど…)
服を脱ぎタオルで体表面を覆いながら入室する。
柊慈は夏帆を気にすることなく外の景色を堪能しているようだ。
その隙に夏帆はタオルを取り入水する。
(ふあー。あったかい…。芯からあったまるよー)
夏帆の表情がふにゃりと崩れた。
霧島の温泉は無色で独特な臭いはなかった。
(地元の温泉はしょっぱかったのよね。温泉にも個性があるのね)
夏帆が手のひらでお湯を掬いマジマジと観察していると突然、後ろから柊慈の腕が伸びてきて夏帆の胸と腹を抱え込んできた。
「うひゃぁ」
夏帆が驚き水面が揺れた。
「どう?この温泉は?」
夏帆の背後に柊慈がピタリとはりつく。
「う、うん。とっても温まるよ。疲れも癒されるね」
「…そう」
夏帆のその言葉を確認したら柊慈は後ろから夏帆の首に吸い付いてきた。
温泉の熱なのか照れているのか、夏帆の頬がピンクに染まる。
「あ、あの柊慈さん…ここではちょっと…」
夏帆が牽制すると柊慈が不満気に顔を上げた。
「なんで? 夏帆がお風呂で3回やろうねって言ったのに」
ととぼけてきた。
「お風呂に3回入ろうね、だよ! 柊慈さん、わざと間違えているでしょ⁈」
夏帆が恥じらいながら指摘すると、柊慈がいたずらっ子のように笑った。
「柊慈さん、キャラが変わった?」
「変えたのは夏帆。責任とって」
柊慈は冗談っぽくそう言うと、夏帆を半回転させ自分の太ももの上に乗せた。
柊慈と対面馬乗りの状態に夏帆はたじろいでしまう。
「こ、これはちょっとっ…」
しかし柊慈はそんな夏帆のうなじを手で抱えると簡単に引き寄せ唇を奪った。
「…んっ…」
夏帆の吐息が漏れる。
そういえば久々の柊慈との触れ合いだということに気が付いた。
3月は夏帆にとって初めての引越し作業と幼稚園の退職が重なり、てんてこまいだった。
平日も休日もなく、やらねばならないことを一つ一つこなし疲労困憊。
振り返れば自然と柊慈との甘い生活は遠ざかっていた。
(きっと柊慈さんが私を気遣っていたんだ)
今、柊慈に抱かれ改めてそのことに気がついた夏帆だった。
(柊慈さん、我慢してくれていたんだ…。
それなら私も恥じらいを捨てて、がんばらないとっ!)
柊慈の思いやりはいつも夏帆の想像を超えてくる。そんな柊慈に愛を感じて心も身体もきゅんとなる。夏帆はそんな柊慈に恩返しがしたいと思った。
「柊慈さん…いつも私を思いやってくれてありがとう…」
そういって夏帆は目を細め頬をピンクに染めた。その何とも言えない艶っぽさに柊慈は見とれてしまった。自然光に照らされる夏帆の肌はピンクパールのように透き通っていた。そこに欲情を刺激するピンク色の頬と唇。
(これは…女神だろ…)
しかも慣れない体勢での取り組みに戸惑いながらも、夏帆自ら懸命に奉仕しようとする一途な姿…。
なされるがままの柊慈は、まばたきを忘れて見入ってしまう。そんな柊慈に突然、急峻な快楽が襲いかかってきた。
(やばいっ…)
焦った柊慈は、ぐっと下半身に力を入れて我慢しようとするが、快楽の頂がすぐそこまできているのがわかった。
自衛隊で培った忍耐力など新妻の奉仕には敵わないのか。
とっさに腰を引いてなんとか快楽の波をよけようとした。
が、その時だった。
「柊慈さんっ、動かないでっ!」
柊慈は夏帆に肩を抑え込まれた。華奢な夏帆の身体のどこにそんな力があるのかという勢いで。
夏帆は恥じらいながらも瞳をきらめかせて言う。
「私も、柊慈さんのためにがんばるからっ!」
そう言って慣れぬ腰つきで、浮力に負けず懸命に自分の最奥を柊慈に打ち付けてきた。
発熱したような熱い快楽が柊慈の一点に押し寄せる。たまらず柊慈の顔が歪んでしまう。
(これは我慢が効かない!)
「ちょっとっ…だめっ…夏帆っ動かないでっ」
珍しく柊慈が弱気になった。が、恩返しがしたい新妻はさらに湯がこぼれるくらいに水面を揺らし続ける。
残念なことに、コントロールできなかった絶頂が柊慈の目の前にやってきた。
そして柊慈は初めて主導権を握った新妻に瞬殺されるのだった。
※
「このハマチのお刺身、すっごく美味しいよっ」
夕食は部屋食であった。
地元の食材を使った豪華なお膳。
夏帆は御御御付を一口いただく。
「かつお出汁も美味しいね。鹿児島はかつお節の生産量1位なんだって。帰りに買っていこうね?」
「……」
豪華な食事の前でも心ここにあらずな柊慈に夏帆は首をひねる。
「柊慈さん、食べないの?」
「…ああ。いや…」
「ぼーっとして、何を考えているの?」
夏帆が柊慈を覗き込む。
「ん…。新妻にリードされるのも悪くないなと」
どうやら、先ほどの風呂場での出来事のことを言っているらしい。
「あ、あの時は私も一生懸命になっちゃって…。ねぇ、せっかく美味しい食事の時間だよ。頭を切り替えて食べようよっ」
夏帆は真っ赤になりながら言った。
「このお刺身、美味しいよ。柊慈さんも食べてみて」
夏帆に勧められて柊慈はハマチの刺身を一切れ拾いパクリと食べた。
夏帆はその感想が聞きたくて箸を止めてウキウキしながら待った。
柊慈はもぐもぐしてからごくりと飲み込み、そして口を開く。
「夜はどっちがリードする?」
「…柊慈さん、やっぱりキャラ変わったね…」
こうして二人の夜はふけていった。
お互いに違う一面を知った一日であった。