【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
そんなことを言ってくれるとは、思わなかったのだ。
「先輩は、不思議な人ですね」
「不思議?」
「私のほしい言葉をくれるから」
姉の美雨は地味で、妹の愛奈は可愛い、と何度周囲の人たちから言われてきたことか。
「……私でよければ、この家の掃除や換気を任せてください」
「じゃあ、詳細を決めようか」
安堵したように笑う一希を目にして、美雨はこくんとうなずいた。
再び一希が椅子に座り、この家を任せるとはどういうことなのかを説明しようとした瞬間――スマホのバイブ音が、ムームーとリビングに響いた。
「あっ、すみません。私のスマホみたいです」
マナーモードにしたままだった、とバッグに視線を向けると、一希は「出ていいよ」と柔らかく伝える。
「すみません……」
一言謝ってから、美雨はバッグの中からスマホを取り出し、誰からの着信だろうと視線を落とす。
スマホには『お母さん』と表示されていた。