【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
美雨は病院の待合室で座っている家族を発見して、近づいていった。足音に気づいて美雨のほうへ顔を向けたのは母だった。
「美雨……? どうしたの、あなた、その格好……」
「えっ、お姉ちゃんなの? なんでそんなハイブランドのワンピース着ているのよ、似合ってなーい!」
「こら、愛奈。声が大きい!」
「お父さんだって声が大きいよ」
注意されてむぅ、と頬を膨らませた愛奈は、改めてジロジロと美雨のことを眺める。
どうして冴えない姉がこんな格好を? と眉根を寄せると、彼女の後ろにいる人物に気づいた。
「えっ、もしかしてカリスマ美容医の染谷一希!?」
「しっ! 静かにして、愛奈。ここは病院よ」
あまりにも甲高い声が響き、美雨は人差し指を口元で立てて注意をした。周囲の注目を浴びながらも、一希は美雨の隣に立って彼女の肩に手を置く。
「今日はプライベートだから、静かにしてくれると助かるな」
「……はぁい。でもなんでそんな人がお姉ちゃんと一緒に?」
「それは……」
どんな説明をすればいいのだろうかと美雨が悩んでいると、一希がコホンと小さく咳払いをして、美雨の家族たちの顔を見回した。
「おじいさんが入院すると聞きました」
「そうよ、おじいちゃんは大丈夫なの?」
「あ、ああ……今から面会だよ」
父親の言葉とほぼ同時に「青泉さん」と看護師に声をかけられた。
「入院の説明もありますから、ついてきてください」