【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!


 そう言われて看護師のあとをついていく。エレベーターで上階まで行くと、美雨の祖父が入院している部屋まで案内されて、ベッドで横たわっている祖父を目にした美雨は、ベッドまで駆けていく。

「おじいちゃん、大丈夫?」
「……美雨か?」

 美雨が心配そうに問うと、祖父は目を開けて美雨へ視線を移す。

 そっと手を伸ばされたので、美雨はぎゅっと祖父の手を握った。

「今日はえらく別嬪だなぁ、美雨。ほれ、お前は綺麗な子だと、じいちゃんはずっと言っていただろう?」
「……うん、ありがとう。今日はね、魔法をかけてもらったんだよ」
「魔法かぁ……じいちゃん、死ぬ前に美雨の花嫁姿が見たいなぁ……」

 弱々しい祖父の声。彼はそれだけ言い終えると、目を閉じて眠ってしまった。もしかしたら、祖父の命はもう短いのかもしれないという恐怖で、美雨の目には涙がにじむ。

「美雨、結婚の予定はあるのか?」

 訝しむように一希に視線をやってから、美雨の父が問いかけた。

 それに対し、プッと噴き出したのは愛奈だ。

「お姉ちゃんにそんな予定があるわけないじゃん。聞いちゃうの悪いよ」

 肩を震わせながら声を押し殺して笑う愛奈の瞳には、美雨への敵意をはっきりと感じ取れる。

 だが、結婚の予定なんてあるわけがなく、苦々しい表情をしていると、愛奈は自身の胸元に手を添えた。
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