【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「俺が美雨を好きになったのは、見た目だけじゃなくて中身が素敵だからだ。きみは外見だけ磨いて、中身は子どものままじゃないか」
一希の言葉はもっともだと思い、美雨はうなずいた。それを見た愛奈は「そんなことないもん!」と首を横に振る。
「そういうところが子どもだと言っているのよ、一希さんは。愛奈がこのままなら、私はもう無理。お父さん、お母さん愛奈を連れて帰って。そして――もう、私に頼らないで」
愛奈が生まれてからずっと、『お姉ちゃんだから』といろいろなことを我慢させられてきた。
美雨の我慢も限界を迎え、握っていた拳を解いて力なく微笑んだ。その微笑みは、家族に対する諦めを含んでいて、両親たちは息を呑む。
「お姉ちゃんが助けてほしいときに、絶対助けてあげないんだからっ!」
愛奈はそう言い残してコートを羽織って自身のバッグを手にし、家から飛び出して行った。
「愛奈!」
「……さようなら、お父さん、お母さん。元気でね」
美雨は両親に愛奈を追いかけなくていいの? とばかりに無言でリビングの扉を指す。困惑していたふたりだが、一希にぺこりと頭を下げてから去っていく。
両親の姿が見えなくなってから、美雨はずるずるとその場に座り込んだ。
「……美雨」
「……ごめんなさい、変なところを見せてしまって……」
苦笑する美雨を、一希がそっと抱きしめた。