【完結】美容系開業医とワンナイト後結婚したら、溺愛されました!
「……どうして気づかなかったのかな、今までずっと、私からいろんなものを奪っていったことに……」
――違う。
本当は気づいていたのだ。だが、それを認めてしまえば『家族』ではいられなくなる気がして、認めたくなかった。
美雨は大きく息を吸って、家族に告げる。
「私は、私の大切な人を大事にします。もう、みんなに振り回されたくないの」
声高らかにそう宣告すると、三人は驚愕したように目を大きく見開いた。
今までずっと、美雨は家族を支えるサポート役だった。ワガママを言わないよい子に育てたと思っていた父は「なにを言っているんだ!」と声を荒げる。
「今までずっと、耐えてきたの。愛奈の悪意から。だから、もういいでしょう? もう私を解放して……!」
ぎゅっと握った拳は震えていた。涙を流して切々に訴える内容を聞いて、両親は言葉を失う。
「な、なによ、それ! 愛奈だってお姉ちゃんなんかいらない! お姉ちゃんさえいなければ、その男だって愛奈を選んだはずだもん!」
「え、そんなわけないだろう?」
愛奈が叫んだ内容を耳にして、一希が眉根を寄せた。眉間にくっきりとしわを刻み、そっと美雨を後ろから抱きしめた。