受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 一気に顔が熱くなって、
 きっと、真っ赤になっていたと思う。

 西条は、そんなことは気にする様子もなく、
 私の耳元で、小さく囁いた。
 
  「行ってくるね」

 そして、軽く手を振って、
 検査場の向こうへ消えていった。

 私はその場に立ち尽くしたまま、
 しばらく動けなかった。

 帰り道、
 一人で豪華な社用車に乗りながら、
 さっきのことを何度も思い出す。

 ――あんな場所で。

 頬が、また熱くなる。

 数日後、秘書課に
 沖縄のお土産が配られた。

 ちんすこう。
 社長から、らしい。
 この人、本当に甘いものが好きなんだ。

 私は、誰にも気づかれないように、
 小さく、ほくそ笑んでいた。
< 33 / 59 >

この作品をシェア

pagetop