受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 早朝の総務課のオフィスに入ると、
 まだ誰の気配もなかった。

 蛍光灯の白い光が、
 整然と並んだデスクを静かに照らしている。

 私は自分の席に近づき、
 そっと腰を下ろした。
 椅子が小さく(きし)む音がして、
 少しだけ現実に引き戻される。

 入社して、まだ二ヶ月。
 研修が終わったばかりで、
 覚えることは山ほどある。

 森川真菜(もりかわまな)、二十五歳。

 大手銀行を辞めて、
 この会社に転職してきた。

 配属は総務課。

 ……のはずだったけれど、
 なぜか一般事務ではなく、
 急きょ受付業務を任されることになった。
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