受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
 部屋着に着替え、
 ベッドに腰を下ろす。

 静かな部屋。
 時計の針の音だけが、ゆっくりと刻まれている。

 そこで、ふっと、昨日のことを思い出す。
 冷たいタオル。
 優しい手。
 「大丈夫?」と、低く落ち着いた声。

 思い返すたびに、
 胸の奥が、また少し熱を帯びた。

 ――こんなふうに、大切にされるなんて。

 誰かに看病されるというより、
 ただ、そばにいてくれる。
 何も求めず、何も急かさず。
 それが、どうしようもなく嬉しかった。

 携帯を手に取ると、
 画面に、西条からのメッセージが届いていた。

 相変わらず、
 マルの写真と短い動画。

 丸くなって眠る姿。
 カメラに気づいて、少しだけ動く耳。
 思わず、頬が緩む。

 続けて届いたのは、
 短い一文。
 《今日は、ゆっくり休め》

 それだけなのに、
 胸の奥が、静かに満たされていく。

 私は携帯を伏せ、
 そのままベッドに横になった。

 体だけじゃなく、
 心まで――
 ちゃんと癒やされている気がした。

 だから今日は、
 何も考えず、
 ただ、静かに休むことにした。
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