君と初めましての再会
泉生さんの顔がやっと月明かりに照らされてわかった。

目を見開いて、開いた口が塞がらないようなそんな顔をしていた。
でも私はそれ以上何も言わずに用意された客室に戻った。
あそこにこれ以上はいられないと思った。

その夜、泉生さんから特に何もなく、何を話すでもなく、朝がきた。

昨夜の内に書いておいた置き手紙をリビングのテーブルに残して、私はゆっくりと玄関の扉を閉じた。

少しだけ、部屋を出るのが遅くなってしまった。
寮の扉が開いたらすぐに行くはずだったのに…。
本当は、向葵ちゃんの部屋に居させてもらうことだって出来たの。
でも、私はもっとずっと、泉生さんと居たかった。
たったの6日されど6日。
幸せのつまった6日間だった。
< 73 / 162 >

この作品をシェア

pagetop