柚樹の短編小説集

小さな町

ここは、小さな小さな町。
暮らしている住民たちは、皆が年老いていた。
しかし、住民が減ることはない。
そのうえ、奇妙なことに誰一人として命を落としていない。
一見聞くといい話のように思える。
けれど、この老婆と老爺たちはみな齢100を超えてもなお生きているのです。
そのうえ、外部との関係を持たず、すべてを自分たちの町で養っていました。
それを知っている近くの村の人たちは、近づかないように伝えられてきました。
それには、秘密があったのです。
それはもうおかしな話です。まるで――――――そうですね、まずは話を聞いてください。

今は昔。あるところにごくごく平凡な家庭が暮らしていました。
そして、まったく不自由していなかったのです。
なぜかって?家族皆が愛し合い、毎日のように他愛もない話をしていたからです。
けれど、そんな幸せ、ずっとは続きませんでした。
父親が、流行り病に倒れ命を落としたのです。
それはもう皆で悲しみました。
母は泣きながらずっと自分部屋にこもっている。弟は拒食となり食べ物がのどを通らなくなりました。
やがて、飢えた弟は父の後を追うようにこの世から姿を消しました。
そして、その姿を間近で見た少年は怒り狂い理性さえも捨てたった一つの目的を果たそうとしました。
こんなことになるなら、生き物はみな死ななければいいと。
そして少年は、目の色を変えしてはいけないことを犯しました。
そして少年は禁忌とされていた呪いに手を出しました。
それからの展開は早かった。
少年は自分に呪いをかけたのです。
それから、生き残った母も。流行り病に倒れていない人全員を呪い、、、そう。一生死なないようにしたのです。
しかし、修行の足りない少年は完璧に呪いをかけられませんでした。そのため、呪いを受けた人たちは老い体が不自由になってもいくら苦しくても逝くことができないそれが苦しかった。
やがて、少年は恨まれるようになりました。
しかし、少年は自分が助けてやったのに、と理不尽に思いあることをしました。
それは、結界というものを張ったのです。
町の敷地に内に入り結界に触れでもしたら、呪いにかかってしまう。
ですから、たくさんの人たちが被害を受けました。
やがて外との交流を絶たれ苦しまぬよう自給自足をしているのです。

意味は分かりましたか?
そう、この町は呪われているのです。
あぁ、伝え忘れていました。
この町は今も存在しています。
あなたもおかしな町があったら気を付けたほうがいいでしょうね。
それから、皆様に忠告です。
くれぐれも理性を失わないように。
まぁ、どうぞお気を付けて。
あとひとつ。今日の数字は9です。
意味をお分かりいただけたでしょうか?
そろそろお別れの時間ですね。
ぜひまた話を聞きに来ていただけるように。
では、また会いましょう―――――。
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