オンラインゲーム『ラピスラズリ』
「情報セキュリティの部屋だ。見てもらいたいものがある。」
「仕事したくない。」
「うるせぇ。黙れ。今度は顔を殴るぞ。」
「暴力反対。」
黙っていればモテるのに。
いや、面白い事も言うんだけどな。
運動神経が良く、頭も良くて。顔も悪くないのに。性格もどちらかというと良い方。
それを分かってくれる貴重な異性。
何故、簡単にあきらめる?
けれど、それで良かったのだとも思う。
ミイロの残りの人生を考えると、どうしても楽水の未来を奪うようで。
その短い命だからこそ、ミイロの幸せも願いたかった。
俺だって休みの日に仕事場など来たくはない。だけど。
会社所有のビルに入り。会議室の一室。
「で?『ラピスラズリ』はどうだ。」
「殺したい。」
「俺も同じだがな、潜入も兼ねて調査してるはずだぞ。」
個人制作のオンラインゲーム。
本来なら、サーバーから作成・維持・メンテ諸々。課金システムで成り立つ部分。
余程の資産家。技術もあるのに。
だからこそ。【難攻不落】などといって悪趣味なアカウント吸収を繰り返す。
それが違法になるのかと問われれば。
「画像も音声もいい。考え抜かれたシナリオ。バグも少なく。終わりのないゲームにあきた。」
最後のが本音だな。
「タクマに二周目を頼んである。そろそろカプリチオも吸収に狙われる頃か。」
「そうだな。モフがうるさい。挑めと。」
ある程度のレベルや強さをクリアすれば、強制的に所持させられるマスコット。
「試したいことがある。挑め。」
「本気でいいか。」
「勝てないだろうけどな。後悔がないようにしろ。」
試したいこと。
占い。『ラピスラズリ』外部のもの。
実際に見たいのと。アジュールのイレギュラーがどう影響するのか。
まずは外部チャットの簡易な問題。それを解決するのも試しにいれるか。
「で、タクマはどれくらいで育つ?」
「どうだろな。まだ運営はミイロが亡くなったと思ってないだろうから。休みを利用して、病弱設定を無視するわけにもいかない。ミイロの行動パターンを逸脱すると、垢バンになるだろうな。特に二周目だし。」
「ありえるな。目を逸らすため、俺は奥義を寄託する。大規模な討伐が計画されて、新しいギルドまで作られるから。その前後は運営も動ないだろう。」
アジュールのアカウントが消え、イレギュラーな二周目。
悪趣味にもアバターは女。余程、弄るのが好きだと見える。
自己顕示欲。ぶっ壊してやりたい。
大規模な攻略ギルド。寄託。カプリチオの討伐。アジュールの二周目。占い。
上手くいけばいい。いかなければ全て抹消してやる。