オンラインゲーム『ラピスラズリ』

アジュールは二度死ぬ


外部サイトからの侵入。それは可能。
けれど、それを気づかれることなく成し遂げなければ意味がない。
その流れを把握し。本来なら、それを見つけて排除・侵入の対策・未然に防ぐこと。それが俺の仕事。

一人娘を喪った父の怒りは、俺達兄弟の予想を遥かに超え。
財力・権力を全て駆使し。俺たちの復讐より先にいた。
少しの猶予。娘の想い。アジュールに託した正統な復讐を、俺達兄弟に任せて欲しいと願った。
そう、これはミイロの家族による復讐。

二周目。チャット機能が運営により制限されているからか、他の属性の町には自動的に招待状が届いた。
ギルド加入も、実績メリットは自動で解除されて。
イレギュラーの対応。つけ入る隙を与えるようなもの。
構想はできたものの、あと一つ決定打がない。

大規模な攻略も失敗に終わり。
運営の目を逸らすために寄託したカプリチオは、新たに奥義を手に入れる。
楽水の希望した単体攻撃。
イベントで配られる奥義のデータを覗き見。狙った奥義を手に入れる事に成功する。
ある程度整ったステータス。
画面に表示されたカプリチオを、俺と楽水で見つめ。
「このモフがウザい。」
女性も気に入るだろうモフモフのキツネ。
表面上は可愛く。まあ、運営の粘着みたいなものだな。
「それも利用できる。で?カプリチオは万全か。」
「そうだな。最後に、ぽこぽんを介したい。」
楽水にしては、気に入ってるんだな。
「リアルで会うか?」
「やだ。」
拗ねたような表情。復讐には参加して欲しいと思わない相手。
コイツに説教するほどだからな。
ミイロが健康であったなら。

これからカプリチオはゲームから消える。
そんな別れの間際。

実際、楽水とぽこぽんとのやり取りを横で見ながら。
教えてやらないのか。まぁ、ゲーム内だとそうなるよね。
でも外部チャットがあるんだから。もう少しさぁ。
本当に気まぐれな奴。

楽水がライバルだと認めた相手。
それはゲームでの出会い。名前も顔も知らない画面の向こう側にいる人。
リアルと変わらない感情を向けて。
最低限の会話で別れ。

炎の町。酒場でカプリチオは酒を飲み。宿屋に泊まる。
「占い結果だ。」
『未来 に 繋ぐ』
ミイロと同じ占いの結果。
この外部サイトの占いは父が買収した。けれど占いに関与はしていない。
それは『ラピスラズリ』も同じ。これは運命。

俺の試したい事。
この占いから侵入することと、カプリチオの二周目があるかどうか。
悪趣味な運営。
アジュールと会話も出来ないゲーム。終わらせようとするカプリチオを逃がしはしない。
二周目を必ず与えるだろう。
孤独なオンラインゲーム。『純愛など許されない』
ふざけやがって。


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