オンラインゲーム『ラピスラズリ』

何度か挑戦する者が現れ、その度に空に映し出される対戦の映像。
ことごとく失敗に終わり、難攻不落を目に焼き付ける。
圧倒的な強さ。
最終ボスにしか許されていない色。ラピスラズリ。『聖なる石』。
それとはかけ離れた噂話。
挑戦に失敗すると、アバターは消えて、データが戻ることはない。
挑戦者を敗北後に見た人がいないから。
そして身内からの情報だと拡散され。
ゲームに飽きた卒業者がそれを実証した。

【難攻不落】
運営はその噂を否定もせず、挑戦者の条件を厳しくした。
挑戦権として『レベルや攻撃力など基準をクリアした者に特典として、選択できるモフモフのマスコットを進呈する』と。
そしてクリアできなかった者には、属性を引き継いだ二週目、別属性との併用権利を与えると。
ただし、それには確率が存在する。
つまり噂は本当。
【難攻不落】を続けるための運営の意図。
そしてその第一歩が目の前に。

『もふもふの旅仲間』
お使いクエストが出現し、強制誘導。
幾つかある候補から、タヌキを選んだ。
モフモフのダルマのような形のタヌキ。
それはAIで会話を学び、ソロにとって楽しみの一つになった。
しかし何故かギルドの推奨・別属性の町へ行くことを促してくる。
ゲームとしては正しいのだろうけど。

風属性の始まりの町ゼファー。
ここを拠点にしてソロで遊ぶには何の不便もなかった。
属性の関係ない共通の町には、クエストで行けたから。
違う町を楽しみ、他の人に煩わされることなく。
世界募集では、違う属性の人と協力して一期一会。
火力に当たり外れがあったけれど。
回復職は不遇で、いなくてもアイテムで解決してしまう世界。
サブアカウントは禁止。
見つかると垢BAN(アカバン)アカウント停止。権利はく奪。

そう考えると。
運営にとって、ゲームクリアしようと【難攻不落の城】の攻略をする事。
それも同じ扱いなのかもしれない。
攻略に失敗した者が消えるのだから。

私は、このゲームを楽しんでいる。
それはどこまでのことだろうか。




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