御堂先生は溺愛中
「…でさー、塾通いたいんだよね。」
その日、母が帰ってくるなり凛は恐る恐る母に提案をした。
母は凛の言葉を聞くなり時が止まったかのように身体を硬直させた。
「お、お母さん?大丈夫?」
慌てて凛が声をかけると、母はハッと我に返って口を開いた。
「…正気?」
「え、うん…あ、でもやっぱ塾って高いよね…ごめんなさい。でも冬季講習だけ受けられるところもあって、頑張るからさ…。」
「凛が、塾に行きたいなんて言い出すとはね…!」
凛を見つめる母の目には涙が溜まっていて、凛は内心ギョッとした。
「部活もしない、バイトもめんどくさいから嫌、勉強嫌い、で無気力な子だと思ってたけど…塾行きたいなんて言ってくれて、お母さん感動しちゃう!」
「え?」
思っていたのとはだいぶ違う母の反応に、凛は困惑した。
「よし、そうなったらすぐ探して申し込もう!」
「あ、はい…。」
勢いよくそう言う母に凛は若干引きながらそう返した。