きっと、夏のこと

春休みになって、私は牧田さんに会いに大学に行った。


聞くことも、話すこともすでにたくさんあった。



少しメイクをして、

流行りの服をサーチして、

大学を迷うことなく歩く


私は きっと、大学生に見えていた。







『こないだの場所わかる?』


私にしかわからない表現で、


私しか知らない場所みたいに感じて胸がドキドキした。




旧教育棟は、こないだの夏のまま


古びた空気が流れてきて、


たばこの匂いがツーンと鼻をついた。
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