きっと、夏のこと

私は声を失った。


あの時のイベントを思い出して、私は青ざめた。




確かに、牧田さんは私が高校2年でイベントに行った時、大学3年生だった。


だから、私が大学1年生になったらもう卒業ということだった。




やっぱり牧田さんは、私の一足先を生きていた。



押し寄せてくる感情にたえられなくて、


トイレ行ってくるねって彼女に声をかけて走った。


個室トイレの扉を閉めて1人になった途端、涙が止まらなかった。




牧田さんがくれた、『頑張ってね』は正しかった。




牧田さんの言葉はいつも正しい。


私のことをずっと見てるんじゃないかって思うぐらい。


無駄がないのに核心を突いてくる。


でも、その説明のなさが冷たかった。




私はイヤホンをつけて心を落ち着かせた。


次の曲は『幾億光年』だった。



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